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North Angler’s編集部2025年10月8日

【海釣りライフジャケット選択ガイド】釣り場に合わせた、最適な一着の見つけ方

釣り具といえばおそらく多くの人が真っ先にタックル類を思い浮かべる。一方で、自分の命を守るための装備は後回しにされることが少なくない。ライフジャケットは、万一の落水時に生存率を左右する重要なアイテム。膨張式と固定式それぞれの特徴を整理し、釣り場やシーンごとにどのタイプが適しているのか、正しい着用方法をふまえ解説していく。

釣り具といえばおそらく多くの人が真っ先にタックル類を思い浮かべる。一方で、自分の命を守るための装備は後回しにされることが少なくない。ライフジャケットは、万一の落水時に生存率を左右する重要なアイテム。膨張式と固定式それぞれの特徴を整理し、釣り場やシーンごとにどのタイプが適しているのか、正しい着用方法をふまえ解説していく。

Photo & Text by North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

ライフジャケットの種類には「固定式」と「膨張式」が存在

ライフジャケット(救命胴衣)と一口にいってもさまざまな種類があるなかで、皆さんは用途に合ったタイプを選んでいるだろうか。ライフジャケットは万が一の事故や海中転落に備えるうえで欠かせないアイテムであり、適切なものを身につけるか否かで生死が分かれる場合もある。特徴や仕組みを理解しないまま選んでしまうと、状況によっては危険に直結するため注意が必要だ。

釣りに用いられるのは、大きく分けて「固定式」と「膨張式」の2つ。

前者は発泡素材を内蔵しており、常に浮力が確保されている点が最大の特徴。主にフローティングベストやゲームベストなどと呼ばれるタイプがこれに該当する。

 

096-098_04 (カスタム)

一方の後者は落水時にガスボンベの作用で瞬時に膨らみ、浮力を生み出す(浮き輪になる)仕組み。膨張式はさらに、水を感知して自動で膨らむ「自動膨張」と、自らヒモを引いて膨らませる「手動膨張」に分かれる。肩掛けタイプと腰巻きタイプがあるが、基本的な構造はどちらも同じ。

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左が肩掛けタイプ・右が腰巻きタイプ

シーン別の推奨タイプ

釣り場およびシーン別に固定式と膨張式のどちらが適しているのか、ポイントを整理しよう。

防波堤:固定式&膨張式

安心感と浮力の確実性を重視するなら固定式、動きやすさを優先したい場合は膨張式などと、好みに応じて使い分けてOK。ただ、いくら安全性が比較的高い釣り場であるとはいえ、ちょっとした油断で思わぬ事故につながる可能性があることを肝に銘じておきたい。

サーフ:固定式

ウエーダーを履いて釣る際、万が一転倒するとウエーダー内部に水が入り込んでしまう。仮にここで腰巻きタイプの膨張式を着用していた場合、浮力が下半身に集中して身体が反転しやすく、顔が水中に沈む危険性が高まる。また収納力が求められることからも、固定式(ゲームベスト)を選ぶのが一般的。

磯場:固定式

波にさらわれるリスクが高く、不意の転倒・転落にも備える必要があるため固定式が最有力の選択肢。磯には尖った岩場や貝殻が付着している場所も多くあるので、気室を膨らませて機能させる膨張式は向かない。

船:膨張式(「桜マーク」付き)

そもそも船釣りに関しては、国の安全基準への適合が確認された(「桜マーク」付き)ライフジャケットの着用が義務化されている。その中でも、航行区域に応じて「TYPE A・D・F・G」とグレードが分かれているが、全ての航行区域で法的に使用が認められている「TYPE A」のグレードを選んでおけば、乗船する遊漁船を問わず対応できるため、最も確実。

これらの多くは膨張式。定番は適度なフィット感があって安心度が高い肩掛けタイプだが、ジギングやキャスティングなどのルアー釣りで着用する場合は、腕を動かしやすい腰巻きタイプが人気。

桜マーク
船釣り用のライフジャケットは、国の安全基準を満たした刻印「桜マーク」のあるものを選ぶ。
シーン 固定式 膨張式 理由・注意点
防波堤 機動性か安心感か、好みに応じて使い分け
サーフ(ウエーディング) 収納力のある固定式が人気。腰巻きタイプは反転リスクあり
磯場 常時浮力あり、衝撃や擦れに強い固定式一択
法規対応の「桜マーク」付きが前提

本来の効果を得るために正しく着用しよう

海上保安庁の海のレジャー活動にともなう人身事故の統計によると、ライフジャケットの着用者と非着用者とでは、生存率におよそ2倍の差があるらしい。とはいえ、単にライフジャケットを持っていればよいわけではなく、「正しく着用する」ことも非常に大切。タイプを問わず間違った着用方法で身に着けていると、いざというときに本来の機能が発揮されないのだ。

096-098_08a (カスタム)
2025年7月、小樽港で第一管区海上保安部主催のライフジャケット体験会が行なわれた。ライフジャケット非着用だと水面に顔を出しているのがやっと。このままでは体力が尽き、溺れてしまうのも時間の問題である。ライフジャケットを身に着けていれば、楽に身体を浮かすことができる

膨張式は膨らんだ気室を浮き輪として使う

たとえば膨張式の場合、「膨らんだ気室を浮き輪として使う」ことを明確に意識しておくことが肝心。その際、肩掛けタイプは首を後ろから支える枕のように使い、腰巻きタイプは脇の下に挟むようにするという違いがある。これをあらかじめ理解していないと、膨らんだ気室を正しく利用して浮いていることが難しくなってしまう。

また、膨張式のライフジャケットをレインウエアの下に着るのも絶対にNG。万一、落水したときにウエアの中のお腹のあたりで気室が膨らむと、頭を海面から出すのが難しくなり、かえって海水を飲んで溺れる原因になるためだ。

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肩掛けタイプの自動膨張式ライフジャケットを着用した被験者。膨らんだ気室を浮き輪として、具体的には首を後ろから支える枕のように使う
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腰巻きタイプの自動膨張式ライフジャケットを着用した被験者。脇の下に挟むように使うと安定した姿勢で浮かんでいられる

固定式は身体から抜けないように

固定式のライフジャケットであれば、着用中は前のファスナーやバックルをしっかり閉じ、さらに股ヒモを必ず留める。これをしていないと、落水の衝撃で、ライフジャケットがするりと身体から抜けてしまう。大人はもちろんだが、子どもにライフジャケットを着せる際も、親が必ず「股ヒモもしっかり締める」ところまで確認してあげることが必須になる。

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固定式の場合、前のファスナーやバックルをしっかり閉じ、さらに股ヒモを必ず留めたい

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