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つり人編集部2026年3月29日

サクラマスジギングはマッチザベイトが鍵。ウロコジグを使い分ける名手のローテ術

盛期の知床・羅臼沖と、胆振・樽前沖。異なる2つのフィールドで試されたのは、『ウロコジグCS』を軸に組み立てる緻密なローテーションと、フォール主体の攻略だった。魚影やベイト、タナなどの要素をどう読み解き、いかにして最適解へたどり着くのか。エキスパートの思考と実践を追う。

著者:North Angler’s編集部

写真と文◎North Angler’s編集部

北海道での釣りをメインに、北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している「North Angler’s」の編集部。

目次

     

「ウロコジグ」を使い分けてサクラマスを狙う

記録的な寒波が道内各地を襲った1月下旬、ジギングの名手・山本啓人さんと、大阪のオフショアルアーメーカー・uroco代表の田中敏雄さんは知床半島を訪れていた。2日間の釣行を予定していたものの、ご多分に漏れず羅臼町も猛烈な吹雪に見舞われ、初日は出船中止。とはいえ夜のうちに天候は幾分回復し、翌日は無事に「第十八 喜共丸」から沖へ出ることができた。

今シーズンの羅臼沖は開幕以降、好不調の波が激しかった印象だ。ほぼ全員が「自主定数」(1人午前便10尾、午後便5尾までというローカルルール)を達成する日もあれば、船中トータルで数尾なんて日もザラ。直近の釣果は芳しくなく、タフな展開が予想された。

パイロットはアプローチが自在な「ウロコジグCS」

そんななか、山本さんが先発に選んだジグは『ウロコジグCS』145gのDNAミックスチャート(プロパーカラー)。

「まずは派手な色で、誘いも大きく。サクラマスの群れが少ないときは、とにかくジグの存在を見つけてもらわないと始まりませんから」

これが山本さんの意図。さらに「フォールと上げのどちらが効くのかを見極めるために、一流しのなかで3つ、4つとアクションパターンを変えて探ります。ほかにも、ジャークの強弱をつけるべき。たとえばシャクリの負荷(ジグの重み)を2番ガイドにかけたり3番ガイドに乗せたり、細かく調整しながらアタリを待つイメージです」と続ける。

こうした多彩なアプローチを得意とするのがCSの持ち味。パイロットジグとして投入し、滞空時間が長めのフォールに反応がよければ『ウロコジグ オリジナル』、あまり横を向かせず真下にストンと落ちたほうが当たるなら『同ショート』に替えてみる。このように、的確なローテーションを組み立てるうえでの基準となる存在、それがCSなのだ。

ウロコジグシリーズ比較

ウロコジグ オリジナル

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センターバランスから微妙にリアウエイト寄りに調整したセミロング形状。水抜けのよさと、ジグがスライドしたあとのゆっくりとしたタメ(浮遊感)が特徴。最も得意とするシチュエーションは、スローに誘いたい場合やジグを飛ばしてからのフォールに反応がよいとき

ウロコジグ ショート

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オリジナルよりもリアバランスの要素が強い。ショートピッチ、あるいはストップからフォールへ移行するときに高確率で横を向くように設定されている。ロングダートには向かないが、スイミングや軽めのワンピッチからのストップ、ショートジャークで食わせの間を演出しやすい

ウロコジグCS

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オリジナルとショートの隙間を埋める存在。形状は従来のウロコジグが持つ抜けのよさとシャクりやすさを踏襲した、センターバランスのショートタイプ。ランダムに入る3つのフォール(ウオブリング/本体をひねりながら沈下/バックスライド)で「誘う」、「追わせる」、「食わせる」を誰でも容易に実現できる。また、ジャークに強弱をつけることで、フォールスピードや移動距離のコントロールが可能

知床・羅臼沖でフォールが効く要因

今季、羅臼沖に浮かんだのはこれで3回目という山本さん。同海域の魅力について、次のように話す。

「何といってもキングサーモンがねらえることです。それと、一番にシーズンが始まるエリアゆえ、いやおうなしにモチベーションが上がりますね。半年以上味わっていなかったサクラマスのファイトが堪能できるわけですから。また当然ながら、新製品のテストも羅臼からスタートします。翌年の市場へ投入可能なレベルまで、急ピッチで仕上げなければならないと考えると、時間的に余裕はありません。こうした「プレッシャーと戦う」という意味では、ある種のゲーム性を感じています。あと、雪道の運転がうまくなったのも大きい(笑)。総じて羅臼は、私を成長させてくれる場所です」

加えて、スロージギングの醍醐味を享受しやすいフィールドであることにも惹かれるのだとか。

「毎年のように通っているうちに、羅臼はフォールが効果的だと確信しました。これはおそらく、メインベイトがニシンの幼魚だから。その場合、サクラマスはフォールで掛かる傾向が増し、より「スロージギングらしい」釣り方が活きてきます」

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朝焼けが照らす国後島を借景としてロッドを振る。どこよりも早くサクラマスジギングの釣期が始まる羅臼沖は、山本啓人さんにとって「いやおうなしにモチベーションが上がる海域」だそう

マッチング・ザ・ベイトの重要性

釣り開始からおよそ2時間はミヨシ側にヒットが偏り、トモに釣り座を構える山本さんと田中さんにはなかなかチャンスが巡ってこない。しだいに水深50m近辺でホッケが掛かりだし、ほどなくしてそれまでのアタリダナである40m前後まで上ずってきた。こうなるとフォール主体ではゲストの猛攻をかわせず、しばらく速い上げで誘い続ける展開に。

状況が好転したのは午前9時過ぎ。
「30m!」
声の主は山本さん。周りでシルバー系が当たっていたため、ジグの色をブルーピンク/HDグロー(サクラマスSPカラー)に替え、その1投目だった。ハーフピッチジャークの、上げからフォールに切り替わった瞬間にヒット。あがってきたサクラマスは、値千金の2kgオーバー!すこぶるコンディションのよい魚体が目を引いた。

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一方の、主にオリジナルの200gを使用していた田中さんにも好機到来。40mと36mで2連発させたヒットパターンは、やはりフォールが絡んでいた。さらに興味深いことに、田中さんが釣ったサクラマスの口から出てきたのはオオナゴ。ジグ選択におけるマッチング・ザ・ベイトの重要性を、あらためて印象付ける一コマであった。

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ベイトはニシンの幼魚(上)とオオナゴ(下)が混在していた。マッチング・ザ・ベイトの重要性を感じずにはいられない

胆振・樽前沖ではワンピッチで手早く探る

それからちょうど3週間後、山本さんと田中さんの姿は苫小牧にあった。今回の舞台は胆振海域。勇払マリーナを出港した『タマリスク』は一路、樽前沖へ向かう。

「先日は前浜(苫小牧沖)が好調でしたが、今日の風だと釣りにならないのでこっち(樽前沖)に来ました。水温は3.6度。苫小牧が4度だったことから推測するに、この辺りが潮目(水温の変わり目)になっているはず。サクラマスも回ってくるとおもいますよ」

船長・高野清秀さんの予測どおり、ポイントへ着くや否や同船者たちのサオが曲がる。当たったタナは10〜15mと浅めのようだ。ヒットジグはグリーンゴールドやチャート系など、派手なカラーが目立った。

前週も『タマリスク』に乗り、それが胆振海域でのサクラマスジギング初挑戦だったという山本さんに、同エリアの印象を聞いてみた。

「第一に、ほかの海域と比べて少しだけ濁りが強い気がします。(同船者の)皆さんが選ぶジグの色にも、この影響が表われているのかもしれません。それと先週の実釣時は、「ヒットレンジが定まりにくい」とも感じました。極端な話、隣の人が20mで当たったかと思えば、反対側ではボトムで掛かっていたり……。しかしタナがばらけているようにみえて、15m前後、30m近辺と、そのときどきのトレンドが大まかに二分されるケースがあるのも確かです。なので基本はワンピッチで手早く広くサーチし、あやしいタナはハーフピッチで細かく探るなど、メリハリをつけて誘うことが重要と考えています」

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胆振・樽前沖に挑戦。「ほかの海域と比べて岸から遠く、ザ・沖釣りといった雰囲気」とは山本さん

マイクロベイトパターンの攻略方法

この日、オリジナル160gで出だしから順調に釣果をあげたのは田中さん。ねらいを水深20mから上に絞り、デッドスローでじっくり誘って3尾の本命を手にした(タナはそれぞれ15m、18m、20m)。いずれもフォール中のヒットだったという。

ふと沖に目をやるとトリヤマができており、かすかに海面がざわついている。高野船長いわく、ボイルの正体はイサダ(オキアミ)を捕食するサクラマス。これを見て、山本さんはCS145gのMIX LENSアカキン(プロパーカラー)を結ぶ。

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イサダ食いにはアカキンが有効。サクラマスだけでなく、どんな魚にも当てはまります」

山本さんのいうとおり、このカラーで面白いようにアタリが増えた。だが、ことごとくフッキング失敗……。

「ベイトフィッシュを追っている個体ではないせいか、「本気食い」しなくていいのでバイトが浅いですね。それに、ジグが横を向きすぎるのをサクラマスに見切られていますよ、たぶん」

食いが浅いときは跳ねを抑え、ジグも軽く

そうと分かればすかさずタックルごと交換。ロッドを1番→0番、リールのギア比はHG→MGへ。さらに、ジグのウエイトも145gから125gに落とした。

「1番+HGの組み合わせだと挙動が大きくなりすぎて、ジグをあまり横に向かせたくないときは都合が悪いです。そこでロッドの番手とリールのギア比を落とし、ラインスラックの量を増やすことによって跳ねやホバリングを抑えます

ジグを軽くしたのにも明確な理由があるそう。145gと125gでは前者のほうが重いため速く沈下するように思えるが、実は体積が大きいぶんジャーク時に物理的な「引っ掛かり」が起こりやすい(=横を向きやすい)のだ。

作戦が見事に的中し、山本さんは当日の船中最大魚をキャッチ。まさにエキスパートの面目躍如であった。

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タックル一式の交換とジグのウエイトダウンが奏功。当日の船中最大魚を導いた
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◎使用タックル(山本さん)※すべてシマノ
(写真左)
・ロッド:『オシアジガー リミテッドSLJ B63-0』
・リール:『24オシアコンクエストCT 300MG RIGHT』
・ライン:『オシアジガー MX4 PE』1号
・リーダー:『オシアジガー マスターフロロ リーダー』6号
(写真右)
・ロッド:『オシアジガー リミテッドLJ B63-1』
・リール:『24オシアコンクエストCT 300HG RIGHT』
・ライン:『オシアジガー MX4 PE』1号
・リーダー:『オシアジガー マスターフロロ リーダー』6号

船の釣り NorthAnglers サクラマス ジギング オフショアルアー

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列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

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