山梨県／笛吹川支流・渋川　水面爆ぜる、興奮のナマズゲーム　その2（全2回）

トップウオーターでねらうナマズ釣りは捕食の瞬間が見えてスリリングだ。豪快なバイトに強烈な引きは釣り人を魅了してやまない。そんなナマズ釣りにハマっているのが内藤祐介さん。ホームグラウンドの山梨のフィールドを案内していただいた。

豪快なバイト、強烈な引きに魅了されること間違いなし！

レポート◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2019年9月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。

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白泡下の大もの

　清流館から２００ｍほど釣り上がると１つ目の橋に差し掛かり、橋下にルアーを投げてみたが反応はない。橋のすぐ上流左岸には流れ込みがあり、大して落差はないものの、水面には白泡が立っている。この下にナマズがいてもよさそうだ。ルアーをキャストして、時おりアクションさせながら流していく。するとパクパクとコイが近寄ってきた。掛からないように急いでピックアップし、再投入。やはりコイが近寄ってくる。しつこくルアーを投げていると、ピックアップ直後、ルアーのすぐ下にニョロリとした魚影が見えた。間違いなくナマズであった。コイが多くて、思うようにナマズがねらえない。

　少し上流へ行き、落差がある流れ込みをねらった。落ち込み周辺をのぞいてみると、ナマズが岸際に付いている。ルアーをキャストすると、反応し追いかけて来た。ナマズの唇がルアーに触れているのではないかという距離まで追って来たが、バイトせず見切られてしまった。

day-namazu (9)-1 キャタピー（スミス）をチェイスするナマズ。あともう少しのところだったが、バイトせず

「追って来た時こそ止めずに音を出せっていいますけど、食わせたい気持ちが焦りを生んで、ちょっと間を作ってしまいましたね。悔しいです」と内藤さんもがっくり肩を落とした。

　釣り上がっていくと、いい流れ込みが目に入って来た。すぐ上流にある橋によって日陰が作られていて、白泡は周りのボサに吸い込まれて行く。日陰、白泡、ボサという好要素が絡んだ今日一番のポイントなのは間違いない。

day-namazu (6)-1 タックルはナマズ専用ロッドにPE４号を巻いたベイトキャスティングリールを組み合わせた

day-namazu (7)-1 ノイジー系のトップウオータープラグを使用

day-namazu (15)-1

価値ある１尾

「いるのは分かっている」とばかりに内藤さんは気配を悟られないように息を殺し、ルアーをボサの際へポトンと落とした。サオを上下に動かしながら〝チョンチョン〟とアクションさせて行く。しかし、静寂が破られることはなかった。

day-namazu (1)-1 流れ込みの白泡下に着いているナマズをねらってルアーを落とす

「いないか。いたらほとんど一発で食ってきますからね。移動しましょうか」と気もそぞろにアクションさせていると、急襲であった。豪快な捕食音とともにルアーがひったくられ、その後は身をよじらせながら暴力的な抵抗をみせた。「デカイ！」と内藤さんもバラさないように慎重に寄せにかかる。最初の抵抗に全精力を注いでしまったようで、最後は大人しくランディングネットに入ってくれた。計測マットに乗せると64㎝。予想外の良型に内藤さんもほっと胸をなでおろした。

day-namazu (10)-1 掛かってから強烈な抵抗を見せた良型ナマズ。赤い舌？　を出しているように見える