車止から2時間ほど、ガレ場の難所を越えて入渓点にたどり着くと、エメラルドグリーンの淵が見える。関東屈指の美渓と名高い大蛇尾川だ。関東や東北の渓を中心に釣り巡る源流釣り同好会、「渓道楽」の高野さんと斉田さんの日帰り源流釣りに同行した。
ガレ場の先の別世界
写真と文◎編集
車止から2時間ほど、ガレ場の難所を越えて入渓点にたどり着くと、エメラルドグリーンの淵が見える。関東屈指の美渓と名高い大蛇尾川だ。関東や東北の渓を中心に釣り巡る源流釣り同好会、「渓道楽」の高野さんと斉田さんの日帰り源流釣りに同行した。
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昔はニジマスで名を馳せた川
栃木県那須塩原市を流れる大蛇尾川は大佐飛山に端を発して小蛇尾川と合流し、蛇尾川となる。さらに下流の大田原市で箒川、那珂川町で那珂川に合流していく。東北自動車道・西那須野塩原ICから大蛇尾川に向かう途中にあるコンビニで遊魚券を購入。釣り場へ向かう途中に渡る蛇尾川は取水され普段から水が全くない。白く乾いた河原砂漠となっているが、春雨の影響かこの日は僅かながら水が流れていた。
「渓道楽」会長、高野智さんは埼玉県さいたま市在住。1963 年生まれ。関東や東北の源流をメインで釣り歩く。いい川を知っている
エサ釣り向きの水深のある落ち込みがあれば、毛バリ釣り向きの浅い瀬もある。水量や川の規模もちょうどよい
早春の象徴、フキノトウ。開いてしまっているものも多かった
大蛇尾川はエサ、ルアー、フライとジャンル関係なく渓流ファンから人気が高い。エメラルドグリーンの美しい淵が点在するのが特徴で、過去にはニジマスが自然繁殖する渓として名を馳せた。しかし、現在はイワナが増え入渓地点である取水堰堤から上流の観念滝までの区間で釣れるのはほとんどがイワナとなっている。そんな大蛇尾川へのアクセスは入渓地点まで作業道を2時間ほど歩く。その道は崩落したガレ場もいくつかあるため注意が必要だ。
大蛇尾川のイワナはそれぞれ模様が違い、個性が強かった
足回りは動きやすさを重視した装備で
舗装された山道から分岐し、砂利道となっている林道は高野さんが最後に訪れた時と比べて幾分直されていたようだが、まだまだ荒れていた。本格SUV車でないと身動きが取れなくなるリスクがあるほどなので林道の終点まで車で行くのは断念。途中にある広いスペースに車を停めて準備を始めた。
源流へ行く際には装備が大切になってくる。今回は日帰りということもあり高野さんと斉田さんの装備はいたってシンプルながら、ザックにはザイルとファーストエイドキットと最低限の安全装備は入っており、釣り具、雨具、飲み物と昼食を積み込んだ。足もとは4月上旬でもウエーディングシューズ+ゲーターというウエットウェーディングスタイル。まだ水温は低いはずだが、どの季節でもこのスタイルだという。なぜなら動きやすさを第一としているからで、特に大蛇尾川は作業道を長時間歩き、時にはガレ場や流れた斜面を歩くことも想定しなくてはいけない。ブーツと足の間が空いてしまうウエーダーではいざという時に地面をとらえにくく危険だ。2人ともウエーディングシューズのソールはラバー製を選び、川でも陸地でも軽快に歩いていた。とはいえ、やはり立ち込めば冷たい。川ではなるべく深く水に入らないように立ちまわっていた。
道中、ニホンカモシカの亡骸を発見。シカとあるが牛の仲間で天然記念物にも指定されている
作業道の後半になると沢が現われる。ここまで水場は無いので水分は用意しておくこと
後編へ続く……
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