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Basser編集部2026年8月14日

【フェザーフックの自作方法】素材の違い・巻き方・効果をプロが解説

ポッパーをはじめとするトップウォータープラグに装着されていることが多い、ルアー用のフェザーフック。「フェザーフックって、もっといろいろパターンがあっていいのでは?」と新たな可能性を提示してくれたのは、フライフィッシングのエキスパート・嶋崎了さん。フェザーフックに応用可能なフライマテリアルやタイイング法も教えてもらいました。

著者:嶋崎了

解説◎嶋崎了

写真と文◎Basser編集部

東京都出身、在住。株式会社ティムコ勤務。姉妹紙『FlyFisher』ではおなじみのベテランフライフィッシャー。高校生の頃から20代前半まではバスフィッシングにのめり込み、ハンドメイドルアーを作るほどまで。ティムコ社に勤務してからはフライフィッシングをメインに製品開発を手掛ける。

目次

    フェザーフックが装着される理由

    なぜポッパーのリアフックにはフェザーフックが使われるのか。水の抵抗を受けてポッパーの移動距離を抑えるブレーキとしての役目や、水を吸わせてポッパーの飛距離をアシストする働き、さらにはフェザーが誘いとなってバイトを誘発するといった効果がその理由とされている。

    では、ほとんどのポッパーに標準装備されている白系のフェザー、もしくはそれにティンセルを合わせたものが、それらの機能を果たすのにベストといえるのだろうか?素材の特性を正しく理解すれば、ポッパーのフェザーフックにはもっと考察の余地があるのではないだろうか。

    たとえば、フライフィッシングの世界では羽が持つそれぞれの特性を活かして1本のフライを巻き、対象魚の状態に合わせてフライをセレクトすることが求められる。それも、ほとんどのフライフィッシャーが自分でフライを巻くのだから、オリジナルのフライパターンは星の数ほどある。

    フライフィッシング用のポッパー各種
    フライフィッシング用に使われているポッパー。獣毛を刈り込んでヘッド形状のようにしたものから、コルク材、フォーム材をヘッドにしたものなどさまざま。ボディー、テイルにはラバーやハックル、獣毛などいくつかのマテリアルが組み合わさってできている

    素材は鳥の羽が一般的

    餅は餅屋。素材の種類と特性について聞くため、フライフィッシングのエキスパートである嶋崎了さんを訪ねた。

    嶋崎「フェザーフックには鳥の羽が用いられることが一般的です。具体的には『ハックル』と呼ばれるニワトリの羽である場合がほとんどです。フライフィッシングにも、ブラックバスをねらうポッパーが存在します。ポッパーはバス用のフライパターンとしてもポピュラーな部類で、マテリアルにハックルを用いるのは昔からある考え方ですね。ただ、フライ本体ではなくルアー用のトレブルフックに巻くとなると……私の知る限りでは日本で最初にハックルを使ったのは泉和摩さんだと思います。オリジナルのポップRに使われているバックテイル(シカの尻尾の毛)をハックルに変えたチューンを施した、ハンクルポップRが最初だと思います」

    嶋崎さんが製作していたポッパー「ラウト」
    嶋崎さんが18〜20歳のころ、個人的に販売していたというポッパー、「ラウト」。泉和摩さんがハンクルPOP-Rでハックルを用いたことから着想を得た

    嶋崎さん流ルアー用フェザーフックの提案

    嶋崎さんが実際に「こんなフェザーフックがあってもいいんじゃないか」というフックを巻いてくれた。3枚のハックルをアイ側から覆うように、傘状にマラブーが巻き留められている。

    ハックルとマラブーを組み合わせたフェザーフック

    嶋崎「移動距離を抑えるということであればこういう巻き方があってもいいのかなと思い、巻いてみました。マラブー特有のなまめかしさと、しっかり水を噛んで動くハックルの組み合わせ。これまでにない動きが表現できるんじゃないかと思います。

    マテリアルに関しては、ハックル、マラブー、バックテイル、ティンセル、どれも特徴があるので正解・間違いというのはないと思います。

    ただ、羽ひとつとっても、“よく釣れる羽”というのはあります。たとえば下の写真はニワトリの羽ですが、表面のまだら模様のなかに、深い緑のきらめきが見えます。経験上、こうした光沢を持った羽は、どこか魚を惹きつける。あくまで憶測でしか話せないですが、フェザーを工夫すれば、もっと世界が変わってくると思いますよ」

    深い緑の光沢を持つニワトリの羽
    表面を覆う羽をかき分けると、深い緑のきらめきが覗く。こうした光沢が、魚を惹きつけるという
    フライタイイング用になめしたオスのキジ
    1羽まるまるフライタイイング用になめしたオスのキジ。あらゆる部位がマテリアルになる

    フェザーフックのマテリアル4種類

    ハックル、マラブー、バックテイル、ティンセルの特徴を詳しく聞いた。

    ハックルはよく動き、ブレーキ力も高い

     

    フェザーフックのマテリアル、ハックル

    ニワトリの羽。部位は、頭から首にかけて生えている「コックネック」がもっとも適しており、実際多くのポッパーに採用されている。ストーク(中心を通っている骨のようなもの)が先端に向けて細くなっていて、全体的に張りがある。フライタイイングでも使用頻度の高いマテリアルで、比較的安価に入手できる。

    「今現在市場に出回っているポッパーの多くで使われていますね。しなやかで柔らかく、水中でゆらめきます。吸水量も多いので水噛みがよく、移動距離を抑える役割も持ちます

    ポッパーに向くハックルの見分け方
    ストークが長く、ファイバーが短いものはポッパーには向かない。水流を受けて動きを出すためには、ファイバーが長いものが望ましい。「ウエッピー部分が多いものはよく吸水するので、水噛みがいいです」。同じニワトリの羽でも、背中からお尻にかけての“コックサドル”は張りがないので水中であまり動かない
    2色のハックルを巻き留めたチャグペッパーRS
    2種類の色のハックルを巻き留めたチャグペッパーRS(ティムコ)

    艶めかしい動きは唯一無二のマラブー

    フェザーフックのマテリアル、マラブー

    本来はアフリカハゲコウという鳥の尾の下のフサフサした羽を指すが、現在は捕獲禁止となったためターキー(七面鳥)、ダチョウから取ることが多い。わずかな水流にも敏感に反応する艶めかしい動きが特徴。水中ではボワッと広がるように思えるが、実は線のように細くなるのだという。

    「ストリーマーという小魚をイミテートしたフライパターンに使われることが多いです。張りがなく軟らかいのでブレーキ性能は弱いですが、動きはマラブーにしか出せない艶めかしさがあります。ポッパーにはあまり使われていないみたいですが、全然アリだと思います」

    マラブーをフロントフックに採用したデックスポッパー66
    マラブーをフロントフックに採用したデックスポッパー66(バークレイ)

    動きは控えめだがしっかりとしたブレーキ力のバックテイル

    フェザーフックのマテリアル、バックテイル

    ポップRに使われているマテリアルで、ホワイトテイルディアというシカの尻尾の毛。ハックルに比べると水中での動きは硬く、ルアーの抵抗となり移動距離を抑える役割を持つ

    バックテイルを使用したPOP-R
    最初期の型からバックテイルが使われていたPOP-R(REBEL)

    ティンセルは、組み合わせでフラッシング効果を出したいときに

    フェザーフックのマテリアル、ティンセル

    フライショップではフラッシャブー、クリスタルフラッシュ、といった名前で売られている人工の素材。フラッシング効果を生み、ハックル、バックテイルと組み合わせて使われることも多い

    ティンセルだけで構成されたジレンマポッパー
    ティンセルだけで構成されたジレンマポッパー(イマカツ)
    バックテイルとティンセルを使ったポップンイメージ
    バックテイル+ティンセルのポップンイメージ(ヘドン)
    ハックルとティンセルを使ったマグナムPOP-R
    ハックル+ティンセルのマグナムPOP-R(REBEL)

    フェザーフックの巻き方 タイイング方法

    現在フェザーフックでもっとも多く用いられているハックルを使って、嶋崎さんにトレブルフックのフェザーフックタイイングを実演していただいた。用意するものはバイス、ボビンホルダー、スレッド、ハサミ。フライタイイングと比べて、そこまで難易度の高いテクニックは必要としない。是非挑戦してみては?

    • フック:スティンガートリプルフック(オーナーばり)
    • スレッド:ベネッキ ウルトラストロングスレッド #12/0(ティムコ)
    タイイングに使うバイスとボビンホルダー、スレッド
    タイイングバイスは安いものだと3000円程度〜購入できる。ボビンホルダーも単体で購入可能(500円程度〜)。スレッドはポリエステル製のものが扱いやすく、太さは#8/0〜#12/0を使用。数字が大きくなるにつれて細くなる

    1.下巻きを行う

    ボビンホルダーにスレッドをセットし、下巻きを行なう。シャンクにスレッドを交差させ、アイのすぐ後ろから巻き始める。フックポイントと同じくらいのところまで進んだら、スレッドの余りをカットし、シャンク前方1/3まで巻き戻しておく

    スレッドをセットして下巻きを始める
    フックポイント付近まで下巻きを進める
    シャンク前方まで巻き戻した状態

    2.ハックルの下処理

    できるだけ長さが均等なファイバーを選び、6本むしる。2本を手に取り、羽が軟らかい下の部分は不要なのでこちらも手でむしる

    長さが均等なハックルのファイバーを選ぶ
    ハックルのファイバーをむしる
    軟らかい下部をむしった下処理済みのハックル

    3.ファイバーを巻き留める

    ファイバーを2本重ね、フックとフックの間にシャンクと水平になるように置き、スレッドで巻き留めていく。この作業を3ヵ所で行なう。このとき、ハックルの表側を内側にしておかないと、巻き留めたあとにハックルが外側を向かず、動きが悪くなる

    ファイバーを2本重ねてシャンクに置く
    スレッドでハックルを巻き留める
    3カ所にハックルを巻き留めた状態

    4.折り返して巻き留める

    アイ側に飛び出た余りのストークを折り返して巻き留めたら、再度アイ側にスレッドを戻す

    余ったストークを折り返して巻き留める
    スレッドをアイ側に戻す

    5.ハーフヒッチで固定

    アイの根もとでハーフヒッチを行なう。ここではウィップフィニッシャーというハーフヒッチ専用のタイイングツールを使っている

    ウィップフィニッシャーでハーフヒッチを行なう

    6.余りのスレッドとストークをカット

    余ったスレッド、後方に折り返したストークの余りをカット

    余分なスレッドとストークをカットする

    7.瞬間接着剤でコーティング

    瞬間接着剤で巻き留めたスレッドをコーティングして完成

    瞬間接着剤でコーティングして完成したフェザーフック

    ※この記事は『Basser』2021年9月号に掲載したものを再編集しています。

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