東京湾のタチウオ釣りでスタンダードな存在なのがテンビン釣り。魚の切り身を用いるエサ釣りだが、その動作はまるでルアーゲーム。シャクリのリズムや強さで恐ろしいほどの差が出る釣りなのだ。重要となるラインのセレクトからシャクリの極意まで、タチウオとの駆け引きを制する基本をお伝え!
東京湾のスタンダードといえばこの釣り
写真・文◎編集部
東京湾のタチウオ釣りでスタンダードな存在なのがテンビン釣り。魚の切り身を用いるエサ釣りだが、その動作はまるでルアーゲーム。シャクリのリズムや強さで恐ろしいほどの差が出る釣りなのだ。重要となるラインのセレクトからシャクリの極意まで、タチウオとの駆け引きを制する基本をお伝え!
この記事は月刊『つり人』2021年9月号に掲載したものを再編集しています
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目次
東京湾タチウオ釣りの概要
テンヤやジギングなど、さまざまな釣り方が楽しめるタチウオ釣りだが、東京湾の船釣りでは「テンビン釣り」が軸になっている。エサも船宿で配ってもらえるうえに釣り方もシンプルで入門しやすい釣りだ。1本バリのエサ釣りで、コノシロやサバの切り身をエサとして用い、浅いときで5m、深いときで100m超の水深をテンビン(30号)を用いてねらう。釣り人側の動きが非常に多いのが特徴。シャクリの連続でタチウオの興味を引き、アタリを出していく釣りなのだ。
シーズンはその年の状況によって異なるが、6月から翌4月まで出船していることも。夏は小・中型主体で数が釣れやすく、冬は大型が出やすい傾向があるという。
テンビンを掴んだらハリスを手にとってタチウオをスイングイン! 爽快!!
サオは7:3のライトゲームロッドでOK
サオはタチウオのアタリを弾かない繊細な穂先と、シャクリの際に確実にオモリを動かすためのしっかりとした胴を兼ね備えたものを選びたい。長さは2m前後がシャクリやすくアタリもとりやすい。総合すると、サオはタチウオ専用ザオ、もしくは7:3調子の一般的なライトゲームロッドがオススメだ。
ベテランは7:3と6:4など調子別の2本を船に持ち込むこともある。タチウオの状態によって使い分けることでアタリの数を伸ばせるからだ。7:3はエサをしっかり動かしやすく、6:4は間を作って食い込みを重視させるときにチョイスする場合が多い。
穂先はしっかり曲がるが、胴が強いモデルがオススメ。専用ザオはもちろん、いわゆるライトゲームロッドはタチウオのテンビン釣りに適している
ラインは視認性の高い船釣り用PEが◎
タチウオのテンビン釣りはラインセレクトが非常に重要。シャクリの力をダイレクトにテンビンに伝えられて、なおかつアタリをとりやすいPEラインが圧倒的に釣果を伸ばしやすい。号数は船宿指定のものに合わせるのが絶対だが、基本的にはPE1~1.5号。
ハリスはフロロカーボン8号を2mが基準。ハリスが短ければ短いほどシャクリに対してエサがクイックに反応しやすくなる。逆に長いとエサを漂わせるようなスローな誘いがしやすい。かといって「低活性時=長いほうが有利」とは限らず、釣りをしながら調節することでアタリを増やしていこう!
タチウオの鋭い歯に対応しハリスは8号と太めを使う。「ハードトップ船ハリス」は潮色になじむグリーンなのが特徴で、太くても存在感を抑えられる。しなやかなので結束も行ないやすい
リールはPE1~1.5号を200m巻ける船用のベイトリールでOK。浅場であれば手巻きタイプでよいが、水深50mを超える深場を釣る際は電動リールがあると楽ができる。その場合シマノなら200~600番、ダイワは200番がタチウオにはちょうどいい
タチウオの歯はご覧のとおり鋭い。ラインセレクトがだいじ!
オススメのPEラインは「クラウン船PEX8」。ブルー・レッド・オレンジ・グリーン・ピンクの非常に見やすい5色のマーキングが入っており、タナの把握が瞬時に可能。8本撚りで強度が高く、大型が出ることが多い近年のタチウオ釣りに向いている
第2回「テンビンタチウオの仕掛けとエサ付けのコツ」へ続く……