まざまなハードプラグでねらえます
さまざまなハードプラグでねらえます
Photo&Text by Takanori Nakagawa
ホッケにおすすめのルアー
●イヴォークシャッドMR(55㎜7.7g/デプス)
水深4~5mの深くない港では、中層を回遊しているホッケの群れが一定数いる。そんな状況でマッチするのがコレ。最大潜行深度は約2m。ゆっくり潜行するのではなく、一気に2mくらいまで潜る。細いPEラインを使うことでさらに深度を稼げるはず。ちなみに冬は、夜のソイねらいでも常にボックスに入れている。シャローに入ってくる良型のクロソイやアイナメを釣るのにも最適だ
●MSバイブレーションTG(71㎜3/4oz/デプス)
魚が散ってどこにいるか分からない場合、遠投できて底から中層まで探れるバイブレーションが重宝する。このルアーにはRT(ラトルモデル)とTG(タングステンモデル)の2種類ある。取材時は最初にRTを使うも反応がなく、風に負けず安定して飛距離が出せるTGに変更。RTに比べラトルサウンドは控えめでスレ魚に効く。アクションはリフト&フォールを中心にタダ巻きを混ぜる
●ガノブレード(72㎜19g/デプス)
バイブレーションと同様、広範囲を探りたいときに出番。私の場合、スプーンは中層から表層ねらいで使用する。表層を泳ぐベイトに対し、中層で上方向を意識しているホッケにアールできる。これはバス用スプーンだが、あらゆる魚種に対応できる。今時期なら海アメ、海サクにも有効。これまでミノーやジグで釣れない状況下、ガノブレードを投入すると一撃でヒットしたとも多々
●スティーズクランク500(70㎜27.8g/ダイワ)
水深6m以上の深場で頼りになるディープクランク。取材時に良型は横の動きに反応を示すことが分かると、このルアーがハマった。ボートロックでは消波ブロック帯を探るときにいている。ディープクランクというと、どうしてもボディーが大きくなりがちだが、これは比較的小で食わせやすい。重心移動システムを搭載して飛距離も稼げる。リップの先端は丸くウイードをわしやすい
ホッケ用タックル
●ロッド:サイドワインダー TGC-70HR/GP フェルデランス(デプス)
●リール:リョウガ1520L-CC(ダイワ)
●ライン:ソラローム ビッグバス フロロ20lb(東レ)
私はクランクベイトを使うことが多く、小型から大型のマグナムサイズまで幅広く対応できるこのロッドは欠かせない。一般的にクランクベイトは引き抵抗が大きく、手首に掛かる強い負荷が疲れにつながる。その点、グラスコンポジットのロッドは負担が軽減されるのがよい。パワーもあり、口の硬い根魚でもフックアップしやすい
●ロッド:サイドワインダー HGC-70HF/GP バレットショット(デプス)
●リール:ジリオンTWHD1000-XH(ダイワ)
●ライン:ソラローム ビッグバス フロロ16lb(東レ)
さまざまなルアーに対応するマルチロッド。ミノーからスピナベ、チャター、バイブレーション以外に、テキサスリグや大きめのワームをノーシンカーリグで使うことも可能。今回はバイブレーションと合わせた。遠投した先でアクションさせるには、ある程度のバットパワーが必要だが、鋭敏なティップと金属的なバットが、それを可能にする
●ロッド:サイドワインダー HGCS-72MHRF ルードバイパー(デプス)
●リール:イグジストPCLT3000-XH(ダイワ)
●ライン:エックスブレイド アップグレードX8 0.8号(YGK)
●リーダー:フロロカーボン16lbを1.5mFGノットで結束
普段はライトテキサスリグで使用しているMAXウエイト3/4ozのスピニングロッド。今時期は海アメや海サクラも港に回遊するため、スプーンを使うときは不意の大ものに耐えられるバットをもったこのロッドを選択している。7.2フィートの長さは港でも操作性が高く、ロングディスタンスからのショートバイトを取りやすいのも魅力
●ロッド:サイドワインダー EMS-602ML エントリーモデル(デプス)
●リール:セルテートLT2500-H(ダイワ)
●ライン:エックスブレイド アップグレードX8 0.6号(YGK)
●リーダー:フロロカーボン8lb 1.5m FGノットで結束
シャッドに合わせたライトタックル。このロッドは軽めのルアーでもしっかりロッドに重みを乗せてキャストできる。少しでも探れる範囲を広げられるのは大きな利点。港内のライトゲームにマッチし、最近はロックフィッシュでも使用頻度が高い。遠投性能を上げるため、ラインシステムはPE0.6号+フロロカーボン8lbと細めにしている
サイズを釣り分けられる?
アイナメが穴の中に入り、ソイ類が沖の深場に移動する真冬は、ロックフィッシャーにとって厳しい時期。「そんなときこそホッケの出番です!」と明るく話すのは、小樽市の小野修治さん。2022年はウエルエフ主催の『パワーオーシャンカップ』第2戦で3位、第3戦で優勝と勢いに乗るアングラーだ。トーナメントではワームを中心に釣りを展開するが、プライベートではハードルアーを使うことが多いそう。
近年はジグ単体やジグ+サビキを使い、広範囲を探る人をよく見かけますが、私は普段アイナメやソイをねらうルアーでホッケを釣っています。数は餌釣りに敵いませんがゲーム性が高いのが魅力です。と言う。
ルアーを使えばある程度サイズを釣り分けることができると小野さんは考えている。小さいルアーは小型がヒットしやすいが、4〜6インチのワームや120㎜前後のミノー、あるいはクランクベイト、スピナーベイトなら大型に的を絞れるのだとか。今回は小野さんに密着し、積丹町の港をいくつか巡った。
シャッドとスプーンで!
1月中旬、最初に訪れたのは数日前に釣果情報があった幌武意漁港。ここは西寄りの風に強く、昔からホッケ釣りでにぎわう港。しかし外海に面する北防波堤先端部が立入禁止になってから、ホッケねらいの釣り人が少なくなった。この日、先行者は北防波堤中間の突堤に3人と、漁協施設近くに3人。皆さんウキ釣りだが、釣れている感じはない。とりあえず船道に近い突堤にエントリーしてみることに。
どこに、どのレンジに、どのくらいの数がいるのかは分からない。まずは船道に近い水深のある側を探る。最初に選んだのは55㎜スローフローティングタイプのシャッド『イヴォークシャッドMR』。潜行深度は約2mで、中層を手早くチェックできる。キャストを繰り返しても反応はなく、ウキ釣りも沈黙しているが、「数日前は釣れていたので、全くいないことはないはずです」と小野さんは前向き。
北東の風が強く、外海は荒れ気味。船道側は潮の流れが強いが、港内側は穏やかで表層にカタクチイワシの姿を確認できた。そしてよく見ると、カタクチイワシの下にホッケの群れが付いて泳いでいるではないか。スローリトリーブにジャークを混ぜて誘っていると待望のヒット。的確にレンジを合わせられるシャッドの持ち味が発揮された。
連発と思いきや、ホッケの回遊スピードは速く、後が続かない。と突然、水面に逃げまどうカタクチイワシの群れを発見。ホッケに襲われていると判断し、次に飛距離の稼げるスプーン『ガノブレード』19gをキャスト。表層〜中層を探ると数回のバイト後、フッキングが決まった。このパターンがハマり、連続ヒットに結びついた。
「ただ巻きとフォールを混ぜたパターンのほか、ルアーが手前に近づいたら連続トゥイッチを駆使してペンシルベイトの操作でいうドッグウォークのようなアクションでバイトに持ち込みました」と小野さんは満足げ。
神岬漁港の釣り方
その後は釣れなくなり移動。入舸漁港まで走る。外海に近い北防波堤の先端部は人気があり、数人の先行者がロッドを振っていた。そこで突堤の港内側へ。水深は浅く、簡単にボトムを探ることが可能。ひととおりルアーをローテーションするが反応はない
最後に向かったのは神岬漁港。ホッケの人気ポイントとして評判で、外海に面する西防波堤は入る隙間がないほど混み合っている。小野さんは内側の北防波堤の手前にエントリー。
「この港はよく来ますが、港内の水深は4〜5m。外海は磯が絡んでいて6m以上。内と外で使うルアーは違ってきます」
釣った人の状況をうかがうとレンジは深いらしい。
まずはクランクベイト『スティーズクランク500』を投入する。3キャスト目にバイトがあり、難なくランディングに成功。
「港内中央にフルキャストし、ゆっくりと巻きました。このルアーの潜行深度は約5m。深いレンジを探れるため、ボトムをノックしたら巻く速度を遅くし、魚に長くアピールするように心 がけました」
深いレンジでのバイトが多く、バイブレーション『MSバイブレーションTG』のリフト&フォールでも連続ヒット。魚の活性が上がって表層〜中層を回遊するとスプーンが効いた。
「スプーンで試してもらいたいのは、先ほども効いたドッグウオーク。タダ巻きで反応しない魚が、なぜかドッグウオークだと釣れることがあります」
なお、神岬漁港は風向きによりエントリーする場所を考えたい。取材時のように東風なら問題ないが、西風が強いと西防波堤は波を被る。そんなときは無理せず北防波堤に入りたい。また傾向として午前中は外海側のボトムに潜んでいることが多く、底を探 れるルアーを選択するのがキモ。重ためのスピナーベイトまたはチャターベイト、バイブレーションも面白いそう。水深を把握できればディープクランクという選択もアリだ。
潮回りにもよるが、午後になると外海側を回遊していたホッケが港内に入ってくることもある。港内の水深は深くなく、ミディアムタイプのクランクベイトやシャッドを用い、中層をメインにねらうとよいだろう。最後に小野さんからのメッセージ。
「ホッケを釣った後、血などで堤防が汚れてしまったら、海水で流して帰りましょう。自分で出したゴミはダストボックスに入れて持ち帰るようにしています。〝来たときよりも綺麗に〞を合言葉にして、今後も楽しめる環境を残していきたいですね」
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