チャンスが少ないロックショアでは機会損失は大きな痛手だ。中でも多いのがキャスト時のライントラブルだが、スペーサーなら簡単に組めてトラブルを回避できる。

解説◎沼田純一
写真と文◎月刊つり人編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
目次
ロックショアのヒラマサねらいでチャンスを逃さないために
ショアからの青物ねらいはワンチャンスをいかに掴めるかどうか。そのためにはあらゆる準備や対策を行ない、トラブルに繋がりかねない可能性は徹底的に排除したいものだ。
磯からヒラマサを追い続けて約15年という沼田純一さんが特に注意しているのがライントラブル。エアノットやキャストミスに繋がれば、数少ないチャンスをみすみす逃してしまうからだ。沼田さんは、ライントラブル防止のために、本線PEとリーダーの間に太いPEを挟んだスペーサーというラインシステムを長らく愛用している。
「今では本線PEを保護する中空PEを使うPEプロテクト(バリバス)のようなラインシステムもありますが、私はシンプルで現場でも組みやすいスペーサーを使っています。ライントラブルはまず起きないですね」
キャスト時のライントラブルは結び目の暴れが原因
キャスト時のライントラブルはなぜ起こるのか。それは硬い結び目が最もスピードの出ているタイミング(=ラインをリリースした直後)でガイドを抜ける時に暴れてしまうからだ。後ろに続く本線PEの軌道を乱すことで、ガイドに絡みついたり、エアノットができてしまうと沼田さん。
時にはバットガイドに絡んでラインブレイクしたり、ジグが自分に飛んでくることもあり非常に危険な場合もある。特に、細くしなやかなPEと太く張りのあるリーダーでギャップが大きくなるほど結び目を暴れさせてしまうことになる。そこで、沼田さんはPEとリーダーの間にスペーサーとして太いPEを挟むことでギャップを小さくしているのだ。
スペーサーは2倍、リーダーは20倍が号数選びの目安
ヒラマサの場合、沼田さんの基本タックルはPE5号クラス。スペーサーはPE10号(メインラインの2倍の号数とすると覚えやすい。5号×2=10号)を4ヒロ、リーダーは100ポンド以上(メインラインの20倍のポンド数。5号×20=100ポンド)を2ヒロとしている。ロッドは180gまでキャスト可能のもので、リールは14000番とのこと。
本線PEとスペーサー、スペーサーとリーダーの結束はどちらもFGノットで問題はなく、編み込み回数を変えることもないという。スペーサーはあくまでもPEとリーダーの太さや張りのギャップを小さくするためのものなので、この基準よりも太くする分にはいいが、細くするとスペーサーとしての意味合いがなくなってしまうとのこと。
左)PE8号以上のタックルではスペーサーにバーマックス石鯛マックスパワーPEX8(バリバス)を使用。13、15、20、30号をラインナップ。
X9の直進性はロックショアでも優秀
沼田さんがPE5号タックルで使用しているPEはアバニジギング10×10マックスパワーPE X9(バリバス)。以前はX8を使っていたが、今ではX9が主力だそうだ。
「X9はラインの張りが強いというか、直進性があるのでライントラブルが抑えられます。水中・空中問わずたわみが少なく、伸び率が3%台と一般的なPE(6%)よりも伸びずにとても高感度なのでジグを使うのも快適です。ロックショアでは恩恵が多いラインですね。X8はしなやかで飛距離が出しやすいのでキハダやカツオのような表層回遊魚ねらいにおすすめです」
右)飛距離が欲しい表層回遊魚ねらいにはアバニジギング10×10マックスパワーPE X8(バリバス)を使用
スペーサーとリーダーの選び方、そしてFGノットで結束
スペーサーにはアバニキャスティングPE SMP(バリバス)を使用。スーパーマックスパワー原糸採用により、高い耐摩耗性と張りが特徴だ。なお、PE8号タックルの場合、沼田さんの2倍基準で考えるとスペーサーは16号となる。SMPは12号までのラインナップなので、この場合はバーマックス石鯛マックスパワーPEX8の15号を使用しているそうだ。
リーダーは、ジグとプラグ共用タックルであればナイロンのアバニショックリーダー SMP(バリバス)がしなやかで根ズレの傷にも強く、伸びて耐えるタイプなのでお気に入りとのこと。
ロックショアでは信頼のおけるタックルやノットが欠かせない。キープキャストで貴重な一瞬を掴むために、スペーサーというラインシステムを活用してみてほしい。
※このページは『つり人 2026年6月号』に掲載した記事を再編集したものです。



