ムツは深海魚のイメージがあるが実は幼魚なら岸から簡単に釣れる。ふわふわな身と濃厚な脂が魅力のムツを釣ってみよう。
ムツは深海魚のイメージがあるが実は幼魚なら岸から簡単に釣れる
この記事は『つり人 2022年1月号 』に掲載したものを再編集しています
ムツッコってなに?
ムツの幼魚は大きく分けて2種類存在する。クロムツとムツだ。両者共に見た目は似ていて素人目では判別できない。ウロコの数や鰓耙数(エラのとげとげ)の数の差などで判断する。しかし、個体によって差があるので専門家はDNA の塩基配列を分析して同定しているそうだ。生息域は重なっている地域もあるのでややこしい。そんな謎だらけなムツを釣る方法を紹介する。
ムツの歯は鋭い。細いリーダーだと切られる
味に魅せられる人がいる
実はムツの子どもはアジングのゲストでよく釣れている。アジング中に釣れると「なんだ、アジじゃないのか」と思うかもしれないが、一度食べてみると価値観が変わる。煮ても焼いても非常に美味。身はふわっっふわで脂も乗っている。成魚は高級魚とされているのも頷ける。
この味を知り、たちまち虜になってアジングではなくムツをねらう「ムツング」をする釣り人もいる。美味しいだけではなくルアーへの反応も超アグレッシブ!
ムツを求めて千葉県外房へ
10月下旬、キャスティング木更津店でアジングの担当をしている雪下健吾さんの釣りに同行させてもらった。雪下さんはムツッコの味が好きだ。アジングアングラーだが、ムツもウェルカム!釣れればキープすることも多い。そんな雪下さんとこの記事を書いている私、コハラの2人で千葉県外房沿岸の港をランガンした。
コハラ「こんにちは!今日はよろしくお願いします!早速ですが、ムツをねらって釣る方法を聞きたいです!どんな場所で釣りをすればいいんでしょうか?」
雪下さん「岩混じりの場所で釣れることが多いですね。アジは底が砂でも釣れますが、ムツはあまりいません。ねらうポイントとしてはやっぱりアジングと同じく港の常夜灯や航路がいいかなあ」
コハラ「岩場がアツいんですね。ベストシーズンとかもあったりしますか?」
雪下さん「ムツはほぼ周年に渡って釣ることができますね。ここ千葉県の外房のベストシーズンは秋~冬かな。日中でも釣れないことはないけどマヅメ時や夜になると浅場に寄ってきて釣りやすくなります。付き場を探り当てられたら長時間釣れ続けることも多いですよ!」
コハラ「そうなんですね!釣れ続けたらいいな!付き場を見つけにいきましょう!!」
ムツはワームが大好物
ムツはシンキングペンシルやミノー、メタルジグでも釣れるけど、ライトゲーム用のワームが1番よく釣れるとのこと。形状はシャッドテールなど水押しの強いものがよいという。
使用したワームは耐久性の高い月下美人 アジングビーム(ダイワ)、波動で誘うUBER 、2本のテールで誘うBurny ( 共にDUO)
動かし方はチョンチョンとサオ先を小刻みに上下させ、アクションをさせた後にカーブフォール。ただ巻きでもムツは反応するが、アクションをさせたほうがより多くバイトを誘発する。当日使用したタックルは以下のものだ。
雪下さん「先端にフロロ5ポンドを15cmを付けているのは鋭い歯の対策のためです」
雪下さんが現場で使うノットはオルブライトノット。ライトゲームの場合、PE ラインとリーダーの結束にはそこまでの結束強度は必要がない。暗がりでも素早く結べるものが適している。トリプルサージェンスノットなどでも問題ない。
ムツはその場所にいればアジとは違い比較的簡単に釣れるそうだ。「場所選びが重要ですね」と雪下さんはさらりと言う。
夕マヅメのタイミングに集合して実績のある港でひたすらジグ単を投げたが反応なし。日が落ちてから30分程で見切りをつけて別の港の常夜灯下に移動をした。
移動後の1投目、10mほど沖に0.8gのジグヘッドにツインテールのワームを付けて探るといきなりヒット!フォール中のアタリだ。
雪下さん「釣れました!まだまだ釣れそうです!」
コハラ「さすがです!お、よく見るとムツらしい影が見えますね!それもたくさん!」
そこから雪下さんの連発ヒットが始まった。こうしちゃいられない。コハラも急いで準備をしてジグヘッドを投げる。
コハラ「っしゃー!ヒット!!」
雪下さんから教わったことを試したら、なんと2投目で釣れた。フォール中のアタリだ。楽しい! 釣れだしたタイミングでパラパラと降ってきた雨がどんどん強くなっていたがフォールのアタリに熱中。気づいた時には濡れ鼠であった。
「充分お土産が釣れました」という雪下さんのおすすめ料理は煮付け。脂ののった白身でクセがなく、ふわふわとした身がたまらないと言う。最近は刺し身にしてバーナーで炙るのにハマっているそうだ。「濃厚な脂を堪能するのならば塩焼きも美味しいですよ。簡単ですし!」と弾けるような笑顔で語る。
ねらって釣る人は少ないが、釣って楽しい、釣って美味しいのがムツングだ。皆さまもお試しあれ!
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