東京ベイエリアのクロダイを、機動力と専用ロッド「BAYS(黒鯛工房)」によるヘチ釣り&チニングで攻略する。本記事では、シェアサイクルを活用して湾奥のポイントを効率よく巡る次世代の「ベイスタイル」を提案。身近な海で確実な釣果を叩き出すための、エキスパートたちの実践的アプローチを紹介する。

解説◎つり人編集部
写真と文◎編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
魚影の濃い東京湾奥のクロダイ
「近藤君はなんと沖堤防での釣り経験がないんだよ。びっくりだよね(笑)」
そう笑うのはヘチ釣りの大ベテランである郡雄太郎さんだ。
「ヘチ釣りを始めたきっかけは江東区の豊洲に引っ越してきたからです。越してきた当初はぐるり公園でジョギングをしながら『釣り人が多いな』程度にしか思っていなかったんですよ」
とは近藤吉将さん。もともと釣りが好きだった近藤さんはクロダイとやり取りする釣り人の姿に憧れて独学でヘチ釣りを始めた。すると、豊洲はぐるり公園のほかに自宅に近い運河内でもクロダイが釣れることが分かり、電動アシスト自転車のシェアリングサービスや公共交通機関を活用して行動範囲を広げ、潮見や夢の島、さらには中央区晴海や隅田川沿いにも足を延ばすように。
ベイエリアのヘチ釣りでは携帯性のよいロッドが有利
郡「晴海の臨海公園で釣りをしているとよく見かけるんでボクから声を掛けたんだよね。『どう釣れる?』って」
近藤「郡さんからアドバイスをいただいてからですね。クロダイがよく釣れるようになったのは」
住まいが近いこともあって、高潮位の短時間ねらいも含めて釣行回数が多く、わずか数年でめきめきと腕を上げた。
そんな近藤さんのベイスタイルにぴったりの新たなヘチ釣りブランドがBAYSだ。特徴は携帯性のよさ。金属特有の圧倒的な感度がありながら、巻き込みや折れに強く、エサをくわえたクロダイに違和感を与えない柔軟性を併せ持つチタン穂先を搭載したヘチザオは4本継が4種類。テレスコピック(振り出し)が2種類の計6種類。さらに、フリーリグやジカリグ、メタルバイブといったルアーでクロダイをねらうチニングロッドもある。
携帯性に優れた「BAYS」4機種で豊洲のクロダイをねらう
そんなBAYSのモバイルタックルを手に、まだ冬景色だった豊洲ぐるり公園へ向かう。アタリは遠く、魚影もほとんど見かけない状況。朝マヅメにカニエサを潰されたのは近藤さん。ストップアタリからの聞きアワセで重みを感じたもののハリ掛かりさせることはできなかった。
郡さんがヘチ並振GREEN 275でフジツボのストップアタリをものにする
一方、フジツボをエサにした郡さん。フジツボは針に透明な輪ゴムで括り付けるだけ。そして遂に、ストップアタリをしっかり掛けてヘチ並振GREEN 275を曲げた。「大きくないんだけど、とにかく元気でよく引くよ」と難なくBAYS玉網でキャッチした。
チニングとヘチ釣りができる汎用短ザオの可能性
「わあ、チニングロッドもシリーズに入っているんですね。前からやってみたかったんです」
と、午後から合流したヘチガール・サトミンこと梶原さとみさん。
BAYSにはスピニングロッドが2種類あり、1本は近藤さんがこの日使ったヘチスピニングBLUE。
サトミン「足もとのヘチねらいが中心なので短い215にタイコリールをセットして使ってみましたが使いやすかったです。ただ、ベイエリアに多いチョイ沖の橋脚やパイプなどの縦ストラクチャーをチョイ投げして落とし込むなら、その名のとおりスピニングリールで攻略するのもありですね」
つまり、二通りの使い方ができるのでスタイルに合わせてリールを選択すればよい。チニングORANGEはヘチ釣りに適したチタン穂先ではなくキャスティングが決まりやすいチューブラー穂先にライン通りのよい口径のガイドを採用したルアー専用のスピニングロッドだ。
午後からは晴海の朝潮運河へ移動してクロダイを探る
午後からは場所を変えて中央区晴海の朝潮運河下流へ。大潮前の中潮初日。朝マヅメは満潮からの下げ潮を釣り、午後からは16時の満潮に向かう上げ潮を釣った。
「潮もよく動いていますし、潮も適度に濁っていて雰囲気はいいんですけど……アタリがありません(笑)」
チニングORANGE 68からヘチRED 255に持ち替え、丁寧に落とし込んでいくが、川筋は時期尚早かもしれないと再び豊洲ぐるり公園へ。

ヘチスピニングBLUE 215でクロダイをキャッチ
実は晴海に移動する前の午前中、近藤さんもクロダイをキャッチしていた。朝のアタリを逃したガスの科学館前でカニに再びのアタリ。ヘチスピニングBLUE 215がグイグイと絞り込まれる。
「めっちゃ引きます。サオがショートなんで引きがダイレクトに伝わり、やり取りがスリリングですね!」
しかしバットにパワーがあるのでのされずクロダイの突進を止めて水面に浮かした。
近藤さんは周年カニを使う。低水温期のみガン玉はハリに打たず、ハリ上数cmのハリスに打ち、底付近で漂わせるように誘うのだとか。満潮を過ぎ、釣り場が茜色に染まるまで3人は釣り続けたのだった。
ヘチ「スピニング215BLUE」はその名のとおりスピニングリールで使えるが、タイコリールでのヘチねらいにも使える。ベイエリアに多いこうしたチョイ沖の縦ストラクチャーをねらうならスピニングリールを組み合わせると攻略しやすい。BAYS玉網セットは玉の柄ストッパーが標準装備のためベルトへのセットも容易


