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編集部2022年4月19日

プロ野球界のレジェンド・和田一浩が絶景の磯でメジナをねらう 静岡県西伊豆/田子 【後編】

メジナ 全国おすすめ釣り場 静岡

朝からずっと広範囲に広がっていたサラシが、沖に一直線に伸びるようになっていた。和田さんはその切れ目を目掛けて仕掛けを遠投。サラシに乗った仕掛けは沖に流され、キャストでは到底届かない沖合まで流れていった。80mほど沖で止まったウキは自らの重さでジワジワと沈む。和田さんはカウントダウンを開始し、おおよそのタナの把握に努める。

バッティングも釣りも再現性が重要

写真と文◎編集

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 元中日ドラゴンズで名球界入りを果たしたスラッガーは現在、バットを釣り竿に持ち替えて磯に立つことがたまらない幸せと言う。
 刻々と変化する潮の流れを読み、ヒットを生む一手を練る。荒い根をかわして大型魚を取り込んだ後も、なぜ釣れたのか明確な理由が知りたい。
 連打に導く再現性を見出したところで、最大級の満足を得られる。それが和田一浩さんの目指すメジナ釣りである。

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バッティングも釣りも再現性が重要

 2時間があっという間に過ぎた。釣れた魚はタカべが1尾のみ。30mほど沖のウキがゆっくりシモった。ウキ下は約8m。馴染むとシモるオモリ設定なので、ウキが見えなくなってから念のために静かに聞いたら重さが伝わった。合わせると一気に竿が絞り込まれた。途中で何度か根に張り付かれながらもサラシに浮かせたのはよく肥えたクチブトメジナ。38cm。

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風、潮、エサ取りの動きを観察しながら次の一手に思いを巡らす和田さん

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和田さんのヒシャク使いはとてもしなやか。見事なスナップでコマセワークを行なう

「どうにか釣れましたけど、アタリかどうかわからなかったですね。う~ん、難しい。もう少し風が弱くなってくれればいいんですけど」

 1mウキがシモったとして、ヒットしたタナは9mくらいだろうか。1時間ほどしてまた同じパターンで1尾追加。今度は42cm、申し分ないサイズだ。しかし和田さんは納得がいっていないようす。

「食わせたというより、食っていたという感じなんですよね」

 結果オーライではないかと思うが、次の1尾につなげるためにも、魚を仕留めた明確な理由を把握しておきたいのだ。

「バットを振ったらたまたま真芯に当たってくれた」では、プロ野球の世界で生涯3割を超えるアベレージを残すことは到底できない。なぜ真芯で捉えることができたのか。明確な理由を把握しそのスイングを自分のものにしないと、次の1本にはつながらない。バッティングも釣りも再現性が重要なのだ。

 ここからまた沈黙の時間が続いた。風も弱まり、ウネリでサラシが沖に向かって払い出し、条件としては申し分ないがメジナのアタリは遠い。

 ラスト1時間。和田さんは仕掛けを変えた。浮力00のウキにしてハリスにオモリは打たない。ウキ止メも付けない。全遊動仕掛けだ。この2年間、自分のものにしようと取り組んできた全遊動の沈め探り釣りだ。

 朝からずっと広範囲に広がっていたサラシが、沖に一直線に伸びるようになっていた。和田さんはその切れ目を目掛けて仕掛けを遠投。サラシに乗った仕掛けは沖に流され、キャストでは到底届かない沖合まで流れていった。80mほど沖で止まったウキは自らの重さでジワジワと沈む。和田さんはカウントダウンを開始し、おおよそのタナの把握に努める。

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サラシが切れる沖合に和田さんはねらいを絞った

 ミチイトが走る。竿を立てる。確かな手応え。

「よっしゃ! 魚は沖で浮いていますね。水深5mくらいでヒットしました。やっぱり、浮いてましたよ」

 この日一番の笑顔。タモに収まったのはジャスト40cmだが、これぞ田子のノリクシロと言わんばかりのグラマーなプロポーション。ここから30分の間に同じパターンで同サイズが3連続ヒット。これが和田さんの追求する再現性だ。

「ラスト1時間は、ダメ元で自分の釣り方をしてみました。釣れたではなく釣ってやったという感じです。磯釣りは奥が深いですね。今日は納得のいく終わり方ができました」

 磯上がりが17時というのも田子の人気の理由のひとつ。朝マヅメから夕マヅメまでみっちり釣りができる。この日の特打で和田さんはスランプから抜け出せたに違いない。

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80mほど沖の浅ダナで40cmの連打に成功。再現性を見出した

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ノリクシロといえる豊満なメジナがサラシの中から浮上した

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「やるかやられるか」の緊張感のある磯際の攻防。これを味わうとすぐにまた行きたくなる

●渡船:福由丸(tel090・2431・1222)
●渡船料金:4000円
●交通:新東名高速道路・長泉沼津ICから伊豆縦貫自動車道から修善寺道路に入り月ヶ瀬ICで下りR136を土肥方面へ。土肥中浜交差点を左折して田子方面へ。出船場所は田子漁港

 

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