ロッドやリールを船宿でレンタルできるため、気軽に始められるのが船釣りの魅力だ。しかし、いざ予約を入れると「どんな服装で行けばいいのか」と頭を悩ませる初心者は少なくない。屋根などの遮るものが少ない海上は、予期せぬ雨や波しぶきに晒されやすく、強烈な日差しや寒風から逃れる場所もほとんどない。だからこそ、ウェアの選択が安全性や一日の快適さを決定づける。本記事では、船釣りに適した基本の服装と、あると便利な持ち物をわかりやすく整理。チェックリストとして、ぜひ活用してほしい。

文◎North Angler's編集部
北海道での釣りをメインに、北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している「North Angler's」の編集部。
目次
- 船釣りの服装|身につけるウェア・装備の選び方
- 季節別・船釣りの服装の目安
- ライフジャケット(救命胴衣)|桜マーク付きが必須
- フィッシングウェア(レインウェア・防寒着)
- 帽子(キャップ)
- 偏光サングラス
- フィッシンググローブ
- デッキブーツ・デッキシューズ
- 日焼け止め
- アームカバー・レッグカバー
- ネックウォーマー・ネックカバー
- カイロ
- 船釣りの持ち物|あると安心・便利なアイテム
- プライヤー
- フィッシュグリップ(魚つかみ)
- ロッドホルダー(サオ受け)
- クーラーボックス
- バッカン(タックルボックス)
- タオル
- 酔い止め薬
- ビニール袋
- 水道水(タックルメンテ用)
- 船釣りの服装・持ち物チェックリスト【一覧表】
- 服装・持ち物 早見表
船釣りの服装|身につけるウェア・装備の選び方
船釣りの服装は、安全性・快適性・動きやすさの3つを意識して選ぶのが基本だ。海上は陸上より体感温度が低く、風や波しぶき、強い日差しにさらされるうえ、天候も変わりやすい。気温に合わせて脱ぎ着できるレイヤリング(重ね着)を基本に、防水・防風性のあるウェアを用意しておくと安心だ。
季節別・船釣りの服装の目安
服装でまず押さえたいのが、季節ごとの考え方だ。釣行時期に合わせて、以下を目安に選んでみてほしい。
- 春:レインウェアの下に、脱ぎ着しやすいパーカーやフリースを。朝晩の冷え込みに対応できる重ね着を意識したい。
- 夏:逃げ場のない船上では暑さ&日焼け対策は必須。ベースはTシャツ+短パンでもOKだが、夏用パーカーやラッシュガード、アームカバー、レッグカバーなども組み合わせて対策を。梅雨時なら蒸れない透湿性能の高いレインウェアを用意したい。
- 秋:レインウェアに中間着(パーカーや薄手のダウン)を合わせ、春同様1枚多めで朝夕の寒暖差に備える。
- 冬:防風・防水のレインウェアをアウターに、中はダウンなど保温性の高いインナーを。カイロを併用し、手先・足先の防寒も忘れずに。
ここからは、季節を問わず用意したい安全装備も含めて、船釣りでの服装・装備を一つずつ紹介していく。
ライフジャケット(救命胴衣)|桜マーク付きが必須
船釣りに必要なアイテムの筆頭格に挙げられるのがライフジャケット(救命胴衣)だ。国土交通省の関連法令改正により2018年2月からすべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用が義務化された。これを乗船者に着用させなかった場合、船長(小型船舶操縦者)に罰則が科せられる。つまりライフジャケットなしでは船釣りはできないということだ。
基本は船宿でレンタルが可能だが、船だけでなくオカッパリでも使えるので、購入しておけば費用対効果が極めて高い保険だと言える。
ライフジャケットと一口に言っても種類は多岐にわたるが、選ぶべきは『桜マーク』付きのものだ。国の安全基準を満たしている製品には桜の形をした刻印がされている。『桜マーク』のライフジャケットには「TYPE(A・D・F・G)」といった分類があり、航行区域によって適切なものを着用する必要がある。

船釣りの場合は「TYPE-A」を選ぶのが無難だ。なかでも人気があるのは、自動膨張式のライフジャケットだ。自動膨張式は、通常使用時から空気が入っているのではなく、落水などによりセンサーが水を感知すると、その名の通り自動的に膨らむ仕様。そのため、ルアー釣りなどの動きの激しい釣りを好む人々に愛されている。
構造的な特徴として、湿気の多い場所で保管したり丸ごと洗濯してしまうとセンサーが反応してしまい、暴発の恐れがあるので注意する。また、センサーには使用期限(側面に記載されている)があるため、確認のうえ定期的な交換作業が必要になる。
フィッシングウェア(レインウェア・防寒着)
船上では常に足元に水が流れている船も多く、波を被ることも珍しくない。雨が降っていない場合でも、レインウェアは基本欠かせない。普段使用しているアウトドア用のアウターでも問題はないが、できれば釣りに特化したものを選びたい。
フィッシングウェアには、ロッド操作で手首から雨や水しぶきが入らないよう手首にガードが付いていたり、襟やフード周りのガードが充実していたり、魚の血やヌメリなどが落ちやすい表面加工が施されていたり、いろいろと釣り用に工夫されているものが多い。中にはキャストがしやすいようにカッティングがされているものもある。
最初はコストパフォーマンスが高い上下セットで選んでみてもよいだろう。肌寒い季節がメインなら、完全防水で汚れに強いPVC・PU素材も頼もしい。しかし、汗ばむ暖かい時期も視野に入れるなら、衣服内のムレを逃がす「ゴアテックス」等の高透湿素材を選んでおきたい。また、座り姿勢が多くなる船釣りでは、胸まで覆うサロペットタイプのパンツが浸水を防ぎやすく有利だ。
帽子(キャップ)
帽子も用意しておきたい。帽子のつばが光を遮ることによって視界がよくなるほか、なにかの拍子で頭にハリが飛んできた場合にも保護してくれるという役割がある。
偏光サングラス
偏光サングラスは、反射光を遮り自然光のみを通すことでクリアな視界を確保してくれる。水面のぎらつきが抑えられ、サオ先やラインが見やすくなるため、釣り中の集中力持続はもちろん、釣果アップにも一役を買ってくれる。不意に飛んできたハリやルアーなどから目を守る意味からも偏光サングラスは着用すべし。
フィッシンググローブ
近年主流のPEラインは細いながらに強度が高く、想像以上に切傷力がある。イトをたぐり寄せたり、根掛かり時に手で引っ張ったりする場合、なるべく素手で行わないようにしたい。
また、魚のヒレや歯は鋭く尖っていることが多い。素手で触ったりつかんだりする行為は、思わぬケガにつながる恐れがあるため、グローブは持参したほうがよい。
デッキブーツ・デッキシューズ
一般的なサンダルや長靴でも挑戦できるが、船上では足もとに海水が流れていたり、魚の血やヌメリが残っていたりで滑りやすくなっている。そこで専用のデッキブーツ(シューズ)を持っていると安心。一般的なブーツとの違いはソール部分にある。船上(デッキ)とブーツ間の水を効率よく排出し、乾いた状態と変わらないグリップ力を発揮するために切れ込みや波型が刻まれている。デッキソール搭載のサンダルもあるが、ハリやルアーが足の露出部に刺さったりぶつかったりするのを防ぐべく、ブーツまたはシューズタイプがおすすめだ。釣り具メーカーのものを選べば間違いない。
日焼け止め
遮るもののない船上では、アングラーは常に直射日光の脅威にさらされる。海面からの強烈な照り返しも相まって、日焼け対策は決して欠かすことのできないプロセスだ。
使用する日焼け止めは、波しぶきや汗で落ちにくいウォータープルーフ仕様が基本。一度塗って満足するのではなく、釣行中も定期的に塗り直すことが肌を守る最大の防御となる。
アームカバー・レッグカバー
夏場の釣行に半袖や短パンといった軽装で臨むなら、アームカバーやレッグカバーの着用を強くおすすめしたい。
強烈な紫外線から肌を守るだけでなく、近年はひんやりとした接触冷感素材のアイテムも充実している。日焼けによる体力の消耗を防ぎつつ、過酷な暑さを凌ぐための頼もしい装備といえるだろう。
ネックウォーマー・ネックカバー
船上では風が強いことも多い。そのため、寒風が吹きすさぶ冬場の釣行では、首元をしっかり温めるネックウォーマーが必携アイテムだ。あるのとないのでは寒さが大きく違う。
対照的に、強い日差しにさらされる夏場であれば、UVカット機能や接触冷感素材を用いたネックカバーが活躍する。季節を問わず、首周りの対策は船上の快適さを大きく左右するポイントだ。
カイロ
冬場はカイロもあるといい。基本的にはインナーに貼るタイプを用意し、背中などに張っておくと効果的。さらに、靴用(中敷きタイプ)のカイロを併用すれば、底冷えしやすい足元から全身をしっかりと温めてくれる。
船釣りの持ち物|あると安心・便利なアイテム
続いては、船に持ち込みたい持ち物。船上の釣り座は限られているので、必要なものをコンパクトにまとめて持参するのがコツだ。安全・快適に直結するアイテムから、あると便利なものまで紹介する。
プライヤー
ハリを外す、ルアーを交換する、イトを切るなど、必要な場面が多いプライヤー。魚はハリを外す直前にいきなり暴れ出すことが多く、そのときに素手で外そうとしていた場合、手にハリが刺さる危険性がある。
選び方としては、スプリットリングオープナー(先端のフック状に尖った部分)とPEラインカッターが付いているものが便利。釣りの最中最もよく触るギアと言っても過言ではないので、デザイン等も気に入ったものを選んでもよいだろう。
フィッシュグリップ(魚つかみ)
これもまた安全面での役割が大きい。ハリを外す側だけではなく、それを支えるほうの手にも気を遣う必要がある。フィッシュグリップで魚をつかみ、プライヤーでハリを外すよりも安全だ。
ほかにも、リリースを前提とした場合に魚へのダメージを軽減することができる。素手はもちろん乾いたグローブでつかんだり、内臓を圧迫したり、船上にしばらく放置するなどの行為は魚に致命傷を与えかねない。
ロッドホルダー(サオ受け)
取り込み時などにサオをちょい置きできるものから、固定して置けるタイプまである。固定式は置きザオや巻き上げ時に便利で、特に電動リールの釣りでは必須と言ってもいい。船宿によってはレンタルできる場合もあるので、事前に確認しておこう。
クーラーボックス
釣った魚を自宅まで鮮度よく持ち帰るには、自分のクーラーボックスが欠かせない。食べ物や飲み物を保管しておくのにも便利だ。
夏の船上は炎天下で非常に暑くなるため、釣り専用に設計された断熱効果の高いモデルが望ましい。高価なものほど保冷力が高い。
目安のサイズは以下のとおり。
- アジなど小型魚:20〜30L
- マダイなど中型魚:30〜40L
- ワラサなど大型魚:40〜60L
※釣れる数によって一概には言えない。釣る魚をイメージして選ぼう。
バッカン(タックルボックス)
船釣りのメイン収納には、バッカンやタックルボックスがおすすめだ。
なにかと荷物が多くなる船釣りだが、船上で割り当てられる自分のスペース(釣り座)は限られている。ゆえに、小物類やルアーなどをひとまとめにできる収納用品が重宝する。
また、大半の釣り用モデルは防水仕様となっており、波しぶきから大切な荷物を守ってくれる。
ハードタイプ、ソフトタイプ、折りたたみ式などさまざまな種類があるものの、それぞれに長所・短所がある。仕様については、自身の好みに合わせて選ぶとよいだろう。
タオル
船釣りは雨除けができないほか、魚のハリを外すときや血抜きの際に水がかかったり汚れたりがつきもの。雨や汗をぬぐうため、汚れた手を拭くためなど、数枚用意しておくとなにかと重宝する。
酔い止め薬
ひとたび船酔いにかかってしまうと、立ち直るのは不可能と言ってよい。酔いやすい体質であればもちろん、酔いに強くても寝不足や疲れがたまっているときなどは前もって服用しておくべき。
ビニール袋
釣った魚を直接クーラーに入れると、後処理が大変。疲れながらに帰宅し、なおも『クーラーを洗う』という作業に辟易することが目に見えている。厚手のビニール袋さえあれば、クーラーの汚れが抑えられるだけでなく、魚を種類ごとに分けて保管することもできる。かさばるものではないので数枚持っていくとよいだろう。
水道水(タックルメンテ用)
海風や海水にさらされた釣り具は、釣行後すぐにでも洗っておきたいもの。2Lのペットボトルに水道水を入れて車に置いておけば、簡易なタックルメンテナンスが可能だ。
船釣りの服装・持ち物チェックリスト【一覧表】
釣行前の最終確認に使える早見表をまとめた。「身につける服装」と「持参する持ち物」をひと目でチェックしよう。
服装・持ち物 早見表
| 区分 | アイテム | ひとことポイント |
|---|---|---|
| 服装 | ライフジャケット | 桜マーク付き・TYPE-Aが基本。着用は法律で義務。船宿でレンタルも |
| 服装 | フィッシングウェア(レイン・防寒) | 波しぶきなどで濡れるのでほぼ必須。透湿性能の高いものが快適 |
| 服装 | 帽子(キャップ) | 日差しや飛んできたハリから頭を守る |
| 服装 | 偏光サングラス | 反射光をカットし視界クリア&目を保護 |
| 服装 | グローブ | PEラインや魚のヒレ・歯からケガを防ぐ |
| 服装 | デッキブーツ・シューズ | 滑りやすい船上での転倒を防止 |
| 服装 | 日焼け止め | ウォータープルーフを定期的に塗り直す |
| 服装 | アームカバー・レッグカバー | 夏の日焼け・暑さ対策に。接触冷感タイプも |
| 服装 | ネックウォーマー・ネックカバー | 冬は首元を防寒、夏はUVカット・接触冷感で保護 |
| 服装 | カイロ(冬) | インナーに貼るタイプ+靴用が暖かい |
| 持ち物 | プライヤー | ハリ外し・ライン処理に。安全面でも必須級 |
| 持ち物 | フィッシュグリップ | 魚を安全につかめ、魚へのダメージも軽減 |
| 持ち物 | ロッドホルダー | 置きザオや巻き上げに便利。電動の釣りでは必須級。船宿でレンタルも |
| 持ち物 | クーラーボックス | 鮮度をキープ。サイズは狙う魚に合わせる |
| 持ち物 | バッカン(タックルボックス) | 限られた釣り座で小物を一括収納 |
| 持ち物 | タオル | 数枚あると手・顔・道具拭きに便利 |
| 持ち物 | 酔い止め薬 | 乗船前に服用。酔ってからでは手遅れ |
| 持ち物 | ビニール袋 | クーラーの汚れ防止&魚の仕分けに |
| 持ち物 | 水道水(2Lペット) | 釣行後の簡易タックルメンテに |
※この記事は北海道 海ルアー白書 船釣り編 (North Angler's COLLECTION)の記事を再編集しています。

.jpg?width=960)






.jpg)