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編集部2022年6月19日

源流の「釣り」と「キャンプ」を楽しむためのウエア論 前編

ヤマメ イワナ 魚種別釣りガイド

数々の源流取材を経験してきた浦壮一郎さんが、源流で快適に過ごすためのウエア論を解説します。

速乾性最優先で選ぶ源流ウエア

解説・写真◎浦壮一郎

 「ゆるくない釣りキャンプ入門」として、渓流釣りと渓流キャンプの魅力を紹介しているムック『RIVER CAMP』が好評発売中! この記事では、月刊『つり人』や別冊『渓流』雑誌『フライフィッシャー』などで数々の源流取材を経験してきた浦壮一郎さんが、源流で快適に過ごすためのウエア論を解説します。

この記事は『RIVER CAMP』に掲載したものを再編集しています

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速乾性最優先で選ぶ源流ウエア

 源流釣行では一般的なアウトドアウエアがそのまま使える場合とそうでない場合とがある。もともとアウトドアウエアは運動量(発汗量)を考慮して吸汗速乾素材が用いられている。そのほとんどはポリエステルなどの化学繊維が主流なのだが、軽いハイキングなどを想定したものの中には希に天然素材との混紡モデルもラインナップされている。

 源流釣行の場合、発汗だけでなく泳ぎによってずぶ濡れになることも珍しくないだけに、混紡素材は選択肢から除外すべきだろう。とにかく乾きが速いものを! というスタンスで選ぶのが無難である。もちろん綿100%などの天然素材はNGとなる。

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登山では発汗量を気にして速乾性ウエアを選ぶが、源流では発汗よりも泳ぎによるズブ濡れ状態を考慮することになる。好天に恵まれたらまだいいが、曇天の泳ぎは想像以上に冷えるもの。ウエアの選択を間違えると大変なことになる

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 まずは上半身と下半身のウエアについて見ていくことにするが、人によっていくつかのスタイルがある。

 まずは真夏の源流を想定しておくが、上半身に吸汗速乾の半袖Tシャツもしくは長袖Tシャツを着用する人が多い。または長袖のベースレイヤー(アンダー)にTシャツを重ねる場合もあるが、その場合、標高が低い真夏の渓では暑さでバテてしまうかもしれない。そんな時は速乾Tシャツにアームカバーという組み合わせもいい。いずれにしてもヤブ漕ぎなどを想定すると腕が露出しないものが理想といえる。

 またメジロアブの活性が高まる季節においては、長袖のネルシャツがおすすめ。ベースレイヤーやTシャツは身体に密着するものが多く虫に刺されやすいが、ネルシャツなら空間ができることで刺されにくいのだ。

 さらにいうとフォックスファイヤーのスコーロン、またはシムスのバグストッパーなど、防虫加工が施されているタイプならより安心である(昨年筆者はバグストッパーを着用したが、メジロアブに1ヵ所も刺されずにすむという驚きの体験をしている)。

 下半身はベースレイヤーとして吸汗速乾のアンダーに同じく速乾性のパンツ(ズボン)という組み合わせが一般的。近年は徒渉の際に水の抵抗が少ないことを理由にハーフパンツを選ぶ人が増えている。このとき、一番下にボクサーブリーフなどの速乾性の下着を履く人と履かない人に別れるが、泳ぎがある渓では履かないほうが乾きが速く快適だろう。

 少しマニアックな話になるが、全身速乾性ウエアを着用していれば、その数日間いっさい着替えをしないで済むこともある。濡れた状態のウエアを着用したまま焚き火の周囲にいるだけで、寝る頃には完全に乾いているというパターンがそれ(念のため予備の着替えは持って行くが使わずじまいとなる)。それほど昨今の速乾性ウエアの性能は向上しているともいえる。

 なお、標高が高い地域や6月あるいは9月など真夏以外の日程で釣行計画を立てるなら、コンパクトなダウンジャケットをバックパックに忍ばせておくことをおすすめしておく。

 

 後編「足回りはネオプレーンソックス、ウエーディングシューズ、ゲーターの3点セットが必須」へ続く……

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