クラシックタイプのアンバサダーは昔から人気が高い。なかでも80年代前半までにつくられたオールドアンバサダーは垂涎のアイテムだ。6000番のハイギアモデルのコレクターとして知られる山中康嗣さんの秘蔵コレクションを拝見。
6500CA/6500ST(前期型)/6500C Black (フラットリム)
文=山中康嗣
クラシックタイプのアンバサダーは昔から人気が高い。なかでも80年代前半までにつくられたオールドアンバサダーは垂涎のアイテムだ。6000番のハイギアモデルのコレクターとして知られる山中康嗣さんの秘蔵コレクションを拝見。
目次
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※注:今回ハンドル、ハンドルロックナットについてはパーツ変更点として記述していません
6500CA
メインギアやドライブシャフトなど、多くのパーツが新たにデザインされた
●フットナンバー/800600
6500CA FN.800600
4600CA、5600CAなど、他番手のパーミングモデルのデビュー翌年となる79年、6500CAは6000番台初のパーミングモデルとして6500ストライパーと同時期にリリースされた。
6500CAに採用されたパーミングサイドプレートと呼ばれるキャストコントロールキャップを排除した半球形状は、40年以上経った現在まで途切れることなく採用され続け、長期的に見れば大成功の新機構投入であったといえる。
クラシックモデル6500Cとの違いはサイドプレートだけでなく、メインギア、ドライブシャフト、ブレーキプレート、スプール、ブレーキブロックなどなど、多くのパーツが新しく設計された。左リムステッカー、右リムステッカーともに2種類が存在し、また、初期個体「790900」「791000」「791100」などには、左サイドプレート上部にフェイスステッカーが貼付される。
画像はヨーロッパの販売個体で、左右のリムステッカーともにガルシアフラッグが印刷されていないタイプが貼付されている。
ブルー&イエローボックスのリムステッカーは黒のサイドプレートに映え、強いアクセントとなる。とりわけライギョマンに人気の機種だ。
6500ST(前期型)
garciaとStriper のステッカーにストライパードラグと、インパクトが強い
●フットナンバー/790900
6500ST FN.790900(前期型)
79年にデビューした6500ストライパーは、その名が示すとおり北アメリカ大西洋沿岸に生息するストライパー(和名はシマスズキ。サンフィッシュ科の大型魚で30㎏程度に成長)をターゲットにしている。
7000と同型60㎜大型ドラグホイール(通称ストライパードラグ)や2枚のフェイスステッカーなどが外観上の大きな特徴。画像にある前期型とクリックスイッチの付いた後期型に区別されることが多く、81年後半にモデルチェンジされた。フレームのインナープレート、ドラグホイール、キャストコントロールキャップ、ステッカー類の変更を受け、82年まで製造される。
ドラグが強化されたモデルといわれることがあるが、メインギアを含めたドラグ構成パーツは6500CAと差異がなく、一般的なドラグホイールより径を10㎜拡大したストライパードラグにより、ドラグをしめ込みやすくなったというのが正解。
ストライパーは外観だけでなく、存在自体が実に特徴的だ。
●黒いサイドプレートでありながらブロンズブッシングを採用
●特定の対象魚ストライパーをモデル名として採用
●基本的にアメリカのみで販売
当時のプロダクションモデルとしてはきわめて異質なモデルであった。
6500C Black (フラットリム)
リムステッカーがないことに違和感を覚えるかもしれないが、これが正体である
●フットナンバー/800405
6500C FN.800405 Black(Flat Rim)
長きにわたって生産された6500C最終モデルは、サイドプレートのリム形状変更を受け80年にリリースされた。
このリールの特徴であるフラットリム(鍋型、平型)と呼ばれるリム中央部がへこんだ形状は、前年から発売されたパーミングサイドプレートに採用されたものとほぼ同一となる。このことからパーミングモデルのリムを備えたクラシックモデルなどと表現されることもある。
スムースリム(山型)からの移行期間が短く、サイドプレート以外にパーツの変更点は見られないが、右サイドプレート上部には『Built by ABU SWEDEN』の文字が刻印されるようになる。同時にこの刻印を避けるためにハイスピードステッカーの貼付位置がサイドプレート上部から下部へと変更された。
フラットリム採用モデルは6500Cのほか、5000(791000など)、5500C(801104など)、6600C(ブラックサムバー=黒ベロ)などがあるが、比較的早いタイミングでこの形状を採用した6500Cや初期5000などは、リムステッカー対応形状にもかかわらず、フェイスステッカーのみが貼付される。正しい姿ながらリムステッカーがないと違和感を覚える。