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つり人編集部2025年9月20日

東京下町デカハゼハンターが明かす、大型だけをピンポイントで狙う釣り方【小名木川】

フェイスブック内にある『ハゼ釣り情報局』というグループをご存じだろうか。数ある釣りに関するグループの中でもとりわけ地味な魚の釣りが専門ながら会員数が急速に伸びている。その理由を、サイトを立ち上げた田辺和宏さんに語っていただいた。

フェイスブック内にあるハゼ釣り情報コミュニティ『ハゼ釣り情報局』。投稿される大型記録は北海道や東北などの北国から出ることが多い。しかし、都内下町から、今シーズンすでに15cmオーバーを30尾以上釣り20cmオーバーまでもキャッチし投稿しているアングラーが「バッス吉」さんだ。7月のデキハゼシーズンであっても、ねらいはあくまでも大型だ。

写真と文◎編集部

デカハゼハンターのハゼ釣りに密着

「自分は『ハゼ釣り情報局』のメンバーになる前からずっとバッス吉です」そう語るのはハゼ釣り情報局の中でもサイズのいいハゼを釣ることで知られるバッス吉こと高井英明さんだ。サイト内ではこの名で通っているのでそのままバッス吉さんと表記する。

「もとはファミコンのゲームに登録した名前がバス吉でした。でも同じ名前のバス釣りチームがあり、じゃあ日本にブラックバスを持ち込んだ赤星鉄馬さんの遺稿をまとめた『ブラックバッス』という本から一部を拝借してバッス吉にしたのが始まりです」

昭和42年、東京生まれのバッス吉さんは漫画『釣りキチ三平』の影響を大いに受け、小学校低学年のときから父親に連れられて芦ノ湖や相模湖など、数少ない関東のブラックバス釣り場に通った。

「まあ、滅多に釣れませんでしたけど、その後は富士五湖で、牛久沼で、房総半島のダム湖でも霞ヶ浦でも釣れるようになり、まさに高度バス釣り成長期のような盛り上がりでした」

バス釣りが好きすぎて琵琶湖の湖畔にあるバスボートの製造販売会社に就職したのち、琵琶湖で知り合った方から「そんなにバス釣りが好きならうちの会社に来なさい」と誘われて兵庫県西部の会社に転職。そこには無数の野池が点在する東播野池群があり、毎朝3ヵ所の野池をランガンして仕事帰りにも数ヵ所の野池をランガン。毎日コースを変えても行ったことのない池が無数にあったという。

こうしたバス釣り漬けの日々で、一ヵ所で粘らないランガンの有効性、そしてたくさんの魚を釣るよりもクオリティーの高い魚を揃えることに喜びを感じるようになったそうだ。

ハゼを釣るようになったきっかけ

東播野池ランガン生活を7年続けた後、家庭の事情で再び東京に戻ったバッス吉さんがハゼ釣りと出会ったのはわずか数年前のこと。

「コロナ禍真っただ中、会社からは都外へ出ることが禁止され、どこかの県でコロナの陽性になろうものなら大変なお咎めがある状況でした」

都外に出なくてもできるという理由で始めたハゼ釣り。偶然にも同じくらいのタイミングでハゼ釣り情報局が誕生したという。「会の初期メンバーではありますが、ハゼ釣り歴は4年ちょっとです。だからハゼ釣りの常識みたいなものも知らないから、冬の夜に釣れるという情報も素直に受け入れました」

職場は練馬区、自宅は杉並区と近くはなかったが、仕事終わりに江東区の運河でハゼ釣りを楽しみ、休日には朝からたくさんの釣り場をハシゴした。よく通ったのが小名木川と、接続する横十間川、北十間川のいわゆる閘門内の閉鎖水域。

「特に冬から春先は夜しか釣れないから仕事終わりに楽しむのにぴったりでした。しかもアタリはビンビンだし、アワセが決まったときの衝撃は快感だし、美味しいし、ハマりました」

現在、職場は江東区、自宅は江戸川区と釣り場からも近くなり、「電チャリ(電動アシスト自転車)」でさらに効率よくランガンしている。

横十間川
人気のハゼ釣り場である北十間川と小名木川をつなぐ横十間川。天神橋より上流も近年はきれいな遊歩道が整備されて人気の釣り場になっている

デカハゼを狙う方法

バッス吉さんはハゼのサイズにこだわる。しかし7月下旬という取材のタイミングは、普通なら大型をねらえる時期ではない。それでも、バッス吉さんは15cmを目標に設定。

「僕はハゼの生態にも下町の河川にも詳しくありませんが、都内のハゼは青潮や貧酸素で一気に大量死する可能性もあるので、子孫を絶やさない戦略として産卵期を分散させているのではないかと。だから、どんな季節にも小型もいれば成熟した大型もいると考えています」

バッス吉さんの休日に合わせて、11時から17時までの6時間のランガンに同行した。スカイツリーに近い北十間川の京成橋付近からスタートして、接続する横十間川を探り、どこでもコンスタントにハゼはキャッチしたが目標サイズにはほど遠い。

デカハゼハンターの使用する仕掛けバッス吉さんの仕掛け。「真上から仕掛けを落とすとオモリが先に着底し、あとからフワリとエサが着底。次いでオモリの上のソフトビーズが落ちてくるイメージ。この3段階の波動でハゼの興味を引きます」また、エサは着底しているもののハリはわずかに底を切ったこの状態でアタリを感じ取ったら即アワセの、真上から吊るす釣りも使い分ける。

小名木川の植栽帯を探り15cm超えを2尾キャッチ

しかし、ラスト2時間勝負の小名木川で、この時期としてはマックスサイズと思える15cm超えをキャッチ。しかも2尾も。

「キーは植栽帯ですね。護岸沿いにはアシが生えてない釣りやすいところもあればアシがびっしり繁茂して釣りにくいところもある。当然、釣りにくい面は魚が残りやすい。そしてアシは格子状の柵で植栽されていて、柵の先はほかと少し地形が違うんです」

小名木川

際付近に仕掛けを落とすと、少しの距離の違いで、浅い、少し深い、深いという感じで目印の見え方が変化する。良型のハゼがどの段の上にいるのか、あるいはどの段の下にいるのかで、その日のヒットの傾向をパターン化でき、大型の反応があれば同じようなところだけをスピーディーに探っていくと時短でランガンできるという。

この考え方は北十間川や横十間川、その他の河川でも同じで、釣れ続けるところを探るだけではなく、ヘチと沖、日向と日陰、植栽の上流か下流か沖かといったチェックをしてパターンの発見していくのが楽しいという。

「今日は自分の釣りをやり切って目標サイズが釣れたので大満足です!」と電動アシスト自転車にまたがり、小名木川をあとにしたのだった。

大型のハゼ
食った瞬間の即アワセで「特選SL フック早掛」のMが上アゴど真ん中の先端にフッキング。小型は掛からなくていいという考えのハリ選択だ

※このページは『つり人 2025年10月号』を再編集したものです。

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