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North Angler’s編集部2025年8月13日

スルメイカ狙いのイカメタル:基本の釣り方&釣果を伸ばす裏ワザ5選【北海道】

釣って、焼いて、味わう。北海道のアユ釣り旅は、キャンプと組み合わせるのが最高の贅沢!釣ったばかりの新鮮なアユを炭火で味わい、時間を気にせず釣り三昧。そんな至福の「アユ釣りキャンプ」の魅力と、道内のアユ釣り河川情報をお届け。

北海道のイカメタルは、主にスルメイカがターゲット。そのため、特有の釣り方やタックル選びが重要である。これを提唱しているのが、イカメタルのリーディングメーカーとしておなじみのクレイジーオーシャンだ。北海道サポーターの山本智也さんが、スルメねらいの基本を解説。

写真・文=山本智也(North Angler’s

North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。

北海道・イカメタルの釣期について

近年、全国各地で人気が高まっているイカメタルだが、北海道では主にスルメイカ(地方名:マイカ)がターゲットになる。6月下旬の積丹半島を皮切りにシーズンが始まり、序盤は「麦イカ」と呼ばれる小型が多い。しかし夏を過ぎる頃からビール大瓶サイズの型ものが釣れるようになり、トルクのある力強い引き味が楽しめる。また、多くの釣り場は港から近いため、初心者にも挑戦しやすい。そして何といっても、スルメイカは食べて美味しい絶好のターゲットである。

北海道イカメタルのタックルセレクト

タックルにはスピニングとベイトの両方が用いられる。スピニングは本州でケンサキイカを昼間にねらう場合に便利で、主にボトムを釣るときに手返しが早いのがメリット。一方、北海道のイカメタルは夜釣りがメインとなる。船の集魚灯が点灯すると、イカが小魚を追って中層まで上がってくるため、カウンター付きのベイトリールでタナを合わせて釣ったほうが効率がよい。

タックル例は以下の通り。

タックル (2)

(写真左)
ロッド:クレイジーオーシャン『オーシャンスピアSG47CP』
リール:ダイワ『ソルティガIC100H-DH』
ライン:バリバス『アバニイカメタルマックスパワーPEX9マーキング』0.6号
リーダー:バリバス『アバニイカメタルショックリーダーエステル』3~4号を1~1.5m

(写真右)
ロッド:クレイジーオーシャン『オーシャンウィップイカメタルOWIM-B59P』
リール:シマノ『バルケッタFカスタム150RIGHT』
ライン:バリバス『アバニイカメタルマックスパワーPEX9マーキング』0.6号
リーダー:バリバス『アバニイカメタルショックリーダーエステル』3~4号を1~1.5m

ロッド

イカメタルでは、イカの小さなシグナルをサオ先の変化でとらえることが重要だ。タイラバロッドやライトジギングロッドでも流用できるが、どちらもティップでアタリを取るのに特化したサオではない。できれば各社から発売されているイカメタル専用のロッドを推奨したい。

ただし、冒頭で述べたように、メインターゲットがスルメイカであることに配慮すべき。本州のケンサキイカねらいとは全く異なるタックルセレクトが必要になってくるのである。

クレイジーオーシャンの『オーシャンスピアSG47CP』は4.7フィートと短く、船上での取り回しがよい。超高感度の形状記憶チタンティップ(テクニカルティップ)を搭載しており、スルメイカのファーストコンタクトを感知しやすい設計だ。対応ウエイトは50号(200g)までで、まさに"北海道専用モデル"といっても過言ではない。

また、エントリーモデルに『オーシャンウィップイカメタルOWIM-B59P』が50号対応として新しくラインナップされており、初めてのイカメタルにぴったりである。

リール

カウンター付きのベイトリールが有利。PEライン0.6号を200mほど巻ける番手を選ぶ。北海道では最大50号の鉛スッテを使用し、ときにはダブルやトリプルのヒットもあるので、剛性の高いリールが望ましい。ちなみに私は、ダイワ『ソルティガIC100』シリーズをメインに使っている。

ライン

ミチイトはPEラインの0.6号を使用。細いほうが潮に流されにくく、アタリも取りやすいが、イトをスプールの溝に絡ませないよう注意する。また、船によっては号数を指定される場合もあるので、船長の指示に従うこと。太いラインだとアタリが取りにくいのはもちろん、潮に流されやすいためオマツリなどのトラブルが起こりやすい。

そこでおすすめしたいのが、今年6月にバリバスがリリースした『アバニイカメタルマックスパワーPEX9』だ。耐久性、直進性、低伸縮性を兼ね備えたイカメタル専用のラインで、スルメイカの微細なタッチを明確に感知できる。

なおショックリーダーは耐摩耗性重視で、フロロカーボンやエステル素材の3〜4号を1〜1・5m結束する。

仕掛け

完成品が各社から発売されているが、スルメイカは捕食スピードが速いため、枝スが長い仕掛けだとタッチが穂先まで伝わりにくい。ゆえに枝スの短い仕掛けを選ぶ必要がある。

クレイジーオーシャンの『COイカメタル仕掛けハイテンション・2段』は、浮きスッテが水流に対してフレキシブルに回転するよう、接続部にガラズビーズを使用している。また、接続部の隙間を極限までなくし、枝スは1.5cmの長さに設計されているため、イカのタッチを大きく感じ取ることができる。さらに仕掛けは円形スプールに収納されていて、イトグセがつきにくいのも利点だ。

ライン同様、仕掛けも船によって枝スの本数が指定されていることがある。こちらも事前に確認しておきたい。またオマツリや外道のヒットなどによるライントラブルが予想されるため、あらかじめ複数の仕掛けを用意しておくと安心。

イカメタルの仕掛け-2
ライン号数はもとより、仕掛けも船によっては枝スの本数が指定されていることがある。北海道の基本は2段仕様。

メタルスッテ

基本的には仕掛けをなるべく「立てる」ことのできる重さを選択する。仕掛けが水中で斜めに寝てしまうと潮に流されてオマツリが増えるだけでなく、浮きスッテが本線に干渉してイカのタッチも減ってしまう。潮の速さに応じてメタルスッテの重さを調整したい。

私がよく行く積丹半島周辺の海域では、主に50〜70mのタナをねらうことが多い。ここではクレイジーオーシャンの『メタラー』や『同TG』の各号数を使う。なかでも使用頻度が高いのは30号(約113g)、40号(約150g)、50号(約188g・鉛タイプのみ)。

とはいえ集魚灯が点灯してからは、船の真下にイカが溜まってくることもしばしば。そんな状況に対応すべく、8号(30g)や10号(38g)といった軽めのメタルスッテもタックルボックスに忍ばせておきたい。
カラーに関しては、ことスルメイカはグロー系(蛍光色)を好む傾向があるため、これらを中心にローテーションを組み立てていく。ただ、ヒットカラーは一日のうちに何度も変わるので、こまめな交換が必要だ。

メタルスッテ-2
メタルスッテの素材は鉛とタングステンがある。当日のベイトサイズに近づけるために使い分けが有効。写真は『メタラー』40号(上)と『同TG』40号(下)。同じ重さでもこんなに大きさが違う

ドロッパー

クレイジーオーシャンの浮きスッテ『サンドバッカー』と専用エギ『ハードパンチャー』は、低重心でスローフォールし、水によくなじんでイカが抱きやすい設計。グロー、ケイムラ、ブルーグローのベースカラーに、実績のある各色のクロスが巻かれている。鉛スッテ同様に複数のカラーを用意し、どんどんローテーションさせてヒットカラーを見つけるのがよい。

ちなみに表面がクロス仕上げになっているのは、イカが触手でアタックした際に吸盤先端の角質リングが引っ掛かるようにするため。これで少なからず釣れる確率が上がるとされている。

スッテとドロッパー-1
写真左列のメタルスッテは『メタラー』30~50号、中央の餌木は『ハードパンチャー』1.8号と2.2号。右列の浮きスッテは『サンドバッカー』7cm2段バリ

その他

私は仕掛けとリーダーの結束部に、2cmほどのゴム管(ウキ止メ)を通している。こうすることで、仕掛けをトップガイドに巻き込んでしまったとしてもクッションとなり、ロッドティップの破損を防ぐことができる。

ゴム管
山本さんは仕掛けとリーダーの結束部に2cmほどのゴム管(ウキ止メ)を通している。こうすることで、仕掛けをトップガイドに巻き込んでしまったとしてもクッションとなり、ロッドティップの破損を防ぐことができる

釣り方の流れ:夕マヅメはボトムねらい

投入から誘いの間、ベイトリールを使う場合、リールを持つ手は"パーミング"で固定する。パーミングとは、手のひらでリールを包むように持つことを指す。初心者がよくやる持ち方、俗にいう"初心者持ち"だとサオがブレて仕掛けが揺れ、イカに違和感を与えてしまう。また、イカを触って手にヌルがついた状態だと、ロッドを落とす恐れもある。基本的にはパーミングで握ることをおすすめする。

タックルの持ち方

また、釣る姿勢としては、両足をしっかり床につけ、足を船べりに当てて固定することでロッドのブレが少なくなる。船は揺れるので、できる限り身体全体を船に固定するように意識したい。

周囲が暗くなるまでは、イカはボトムから5m前後に群れているので、そのレンジを重点的に探る。着底後すぐに1mほど巻き上げて根がかりを回避し、そこからワンピッチジャークで約10m巻き上げる。一般的なローギアのベイトリールでハンドル1回転60cmとすると、5回転で3m。よって3セットで約10m仕掛けが上がる。この繰り返しを行なう。

明るいうちに限っては、底から10mくらいとストライクゾーンが狭いので、ワンピッチジャークにアタリがなければ、ステイ中にその場でシェイクして誘いをかけるのも有効だ。ただし、シェイクのあとはピタッと止めることが重要で、「動」と「静」、「緩」と「急」のメリハリを意識する。集魚灯の点灯後1時間くらいまではこの繰り返しで釣る。

しっかりとレンジをねらうために底を取り直し、自分の仕掛けの位置を修正することも大切だ。だいたいはワンピッチの最中か短いステイ中にアタリが出るので、ヒットしたら即アワセで掛ける。活性が高いときはフォール時にもアタリがある。

イカメタルの様子-2
周囲が暗くなるまで(夕マヅメ)は、イカはボトムから5m前後に群れているので、底近くを重点的に探る

レンジをとらえて釣果UP!アタリの出方でタナを探る

点灯後1時間を過ぎると、光にプランクトンが集まり、そこに小魚が集まってくる。光に集まってきたスルメイカはそれらのベイトを捕食し始め、ときには食物連鎖の縮図が船下に発生することも。スルメイカは青もののように速い遊泳スピードでベイトを追い回すため、いかにそのレンジを早くとらえられるかが、釣果を伸ばすカギになる。

集魚灯

まずは点灯前と同じ動作でボトムからサーチ。明るいときと違うのは、再度ボトムまで落とすのではなく、ヒット後はその水深を覚えておき、さらにワンピッチの3〜5m刻みで仕掛けを巻き上げながらレンジを探っていく点。ワンピッチも連続で誘い続けるパターンと、途中に若干の"間"を入れたパターンを試し、その時間帯に合ったアクションを見つける。とくにスルメイカはパターンが変わりやすいので、アタリが減ったら誘い方を変えることも重要だ。

なお、中層でアタリが出た際、主に次の3つのパターンがある。これがイカのヒットダナの目安になる。

グーンと引き込むようなアタリ

イカが下から引っ張っている(イカのタナが下)可能性がある。その水深をカウンターで確認し、次の投入で少し下のタナから探る。

スッテを抱いて口にくわえるようなモゾモゾしたアタリ

タナがイカと合っている可能性が高いため、その水深付近を集中的にねらう

フワッと曲がっていたサオ先が真っすぐに戻るアタリ

イカが上から引っ張っている(イカのタナが上=食い上げ)かもしれない。この場合、探るタナを少し上げる。

このようにしてイカの泳層を探り、ヒットした水深を船中でシェアすると、そのときのヒットダナが見えてくる。しかし、スルメイカは釣行中に頻繁にレンジが変わるので、あくまで一時的な目安とし、アタリが減ったら探り直すことが大切だ。

スルメイカ
スルメイカはヒットパターンが変わりやすい

裏ワザ的な釣り方5選

アタリがないときや、特殊な状況下で有効な裏技的な釣り方も紹介しよう。

アタリ(イカパンチ)があるのに乗らない場合

イカが当たっても乗らなかったときは、一旦1mほどフォールさせて、イカの視界から仕掛けを消す。そしてその場でシェイク&ステイさせることで、乗らなかったイカが再び抱いてくる場合がある。

船の真下にはイカが集まる

イカを掛けて巻き上げると、ほかのイカもついてきて、船の真下5〜15mの影に溜まる。イカは光に集まる性質があるが、強い光は嫌いで影を好む。また、光の明暗の境界では、ときおりスルメイカがベイトを追い回しているのが目視できる。そのときに浅いレンジを意識的に探ると入れ食いになることがある。

浅ダナを探る際は、捕食されているであろう小魚に近い8〜15号の軽い鉛スッテが有効で手返しも早い。昨年はシーズン初期の麦イカねらいで軽いメタルスッテを使い、クイックなアクションで逃げ惑うベイトを演出する釣り方で何度か爆釣を経験した。ただし仕掛けが軽いため、乗船者が多い場合はオマツリの心配がある。潮があまり流れていないときに限っての"奥の手"にしたい。

減灯は"蛍の光"でなく最後のチャンスタイム

船の明かりで海中が照らされ続けると、イカが外敵から見えやすくなるためか、活性が下がってアタリが減る場合がある。その際、再び活性を上げるために船長がわざと船の集魚灯を弱めることがある。「そろそろ釣り終了かな」と片付け始める人がいるが、これは最後のチャンスタイム。諦めず、根気よくねらうのが釣果アップの秘訣だ。

エサ巻きスッテを使用する

ドロッパーをエサ巻きスッテにすると、活性の低いイカに効果的な場合がある。この際の注意点は、エサをあまり大きくつけないこと。ササミの場合は薄くスライスする。あるいはペット用のジャーキーなども手が汚れにくくおすすめだ。できるだけスマートにセットして水の抵抗を減らし、浮きスッテの動きを損ねないようにしたい。エサが小さくても釣果は変わらないと思う。ただし、エサ巻きスッテには外道を寄せるので、フグ等が多くいる場合は使用しないほうがよい。

バインドアッパー
奥の手として、ドロッパーをエサ巻きスッテにすると、活性の低いイカに効果的な場合がある。写真はクレイジーオーシャン『バインドアッパー』(プロトタイプ)

メタルスッテとドロッパーは丁寧に扱う

メタルスッテや浮きスッテのボディーが汚れていると、イカの乗りが著しく悪くなる。墨やヌルが付いた場合は、使い古しの歯ブラシなどで汚れを落とすことが肝心。それでも汚れが落ちないようなら、新しいスッテに交換する。こまめなメンテナンスが釣果を伸ばすコツだ。

以前、鹿児島県のイカ漁師から、「餌木のボディーに人間の手やタバコの匂いがつくと乗りが悪くなるので、カンナしか持ってはいけない」という話を聞いたことがある。それほどイカが直接触れる部分(メタルスッテ、ドロッパー)はデリケートに扱うべきなのだ。

078-082_13 (カスタム)
メタルスッテや浮きスッテのボディーが汚れていると、イカの乗りが著しく悪くなる。墨やヌルが付いた場合は、使い古しの歯ブラシなどで汚れを落としたい

食味こそイカの醍醐味

釣ったイカを美味しくいただけるのはアングラーの特権だ。持ち帰る際にはクーラーボックスの中に綺麗に並べ、専用トレイで効率よく冷やしたい。

釣ったばかりのイカでしか作れない「沖漬け」も、出来合いのタレが釣具店で販売されているので試しやすい。冷凍での長期保存が可能なイカは、家庭はもちろん知人にプレゼントしても喜ばれる。料理のレパートリーも多く、やはり最高のターゲットだと思う。

スルメイカと夏野菜の彩りペペロンチーノ
スルメイカはどう調理しても美味しく、やはり最高の釣りものだと思う。写真はスルメイカと夏野菜の彩りペペロンチーノ。その味は最高の一言!
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