今回はアタリからアワセまでのタイミングの取り方や バスが横走りしたときの対処などをレクチャー。
赤羽先生がテキサスリグでのアワセの極意を解説!
フッキングの基本を霞ヶ浦でレクチャー!
編集部=写真・文、もりなをこ=イラスト
赤羽先生がテキサスリグを駆使し、バイトしてきたバスをすべてキャッチして優勝したのは2008年のオールスター。アタリが来たら確実にフッキングを決めることが「ノーミスの勝利」につながった。
今回はアタリからアワセまでのタイミングの取り方や バスが横走りしたときの対処などをレクチャー。
赤羽先生が実践するそのひとつひとつに理由があるという。
たとえば、右利きの赤羽先生が右巻きのリールを撃ちものに使うこと。
ここにはアワセの成功率をアップさせるための秘訣があった。
編集部員がエキスパートに入門し、座学と実践で免許皆伝を目指す 『Basser』の人気連載をピックアップ!
※この記事はBasser2009年10月号に掲載されたものを再編集しています
講師=赤羽修弥(あかばね・しゅうや)
赤羽先生のfacebook
1966年12月20日生まれ。W.B.S.で10年以上にわたって活躍を続け、同団体で歴代最多の優勝回数を誇る。2008年、2009年、2010年とオールスタークラシック三連覇。「もっとも使用頻度が高いリグ」としてテキサスリグを挙げる。マイブームは「4文字略語」で、たとえば「美浦にあるガスト」を「ミホガス」と呼ぶ。口癖は「まいど!」。
生徒=ヤマガタ(Y)
追い詰められるとテキサスリグを撃つ習性がある現Basser編集長。締め切りが迫ると会社に泊まり込むが、原稿を書いているのではなく、夜な夜なピッチングの練習をしているだけなのではないかという疑惑をもたれている。
生徒=ササキ(S)
取材当時は編集部に入りたての新人で、カバー撃ちを毛嫌いし、「もっとも信用できないリグ」としてテキサスリグを挙げていた。苦手を克服するまたとないチャンスとこの道場の生徒役に志願。取材後も練習に励み、2012年9月号掲載の編集部対決ではビリを回避する1尾をテキサスリグでキャッチ。
テキサスリグとは……ウイードレスにフックセットしたワームのすぐ前にバレットシンカーをセットした形のリグ。根掛かりしにくくすり抜けがいいので、込み入ったカバーやウイードの中をねらうのに適している。ボトムのズル引きも得意。カーリーテールやシャッドテールワームをセットして巻き物として使うにも相性がいい。
赤羽先生のfacebook
1966年12月20日生まれ。W.B.S.で10年以上にわたって活躍を続け、同団体で歴代最多の優勝回数を誇る。2008年、2009年、2010年とオールスタークラシック三連覇。「もっとも使用頻度が高いリグ」としてテキサスリグを挙げる。マイブームは「4文字略語」で、たとえば「美浦にあるガスト」を「ミホガス」と呼ぶ。口癖は「まいど!」。
生徒=ヤマガタ(Y)
追い詰められるとテキサスリグを撃つ習性がある現Basser編集長。締め切りが迫ると会社に泊まり込むが、原稿を書いているのではなく、夜な夜なピッチングの練習をしているだけなのではないかという疑惑をもたれている。
生徒=ササキ(S)
取材当時は編集部に入りたての新人で、カバー撃ちを毛嫌いし、「もっとも信用できないリグ」としてテキサスリグを挙げていた。苦手を克服するまたとないチャンスとこの道場の生徒役に志願。取材後も練習に励み、2012年9月号掲載の編集部対決ではビリを回避する1尾をテキサスリグでキャッチ。
テキサスリグとは……ウイードレスにフックセットしたワームのすぐ前にバレットシンカーをセットした形のリグ。根掛かりしにくくすり抜けがいいので、込み入ったカバーやウイードの中をねらうのに適している。ボトムのズル引きも得意。カーリーテールやシャッドテールワームをセットして巻き物として使うにも相性がいい。
7月22日(水)皆既日食決戦
今回の実践篇の舞台は赤羽先生が「ノーミス勝利」した2008年のオールスター開催地、霞ヶ浦である。
このバスアングラー冥利に尽きるお膳立てを活かすべくYとSはやる気満々。
ちなみに読者の皆様にとってはどーでもいいことだろうけれど、YとSの釣りは正反対である。Yは「テキサスリグでカバーを撃っているのが1番楽しい」と言う。一方のSはカバー撃ちが苦手で「テキサスリグはさっぱり釣れる気がしない」と言い、日がな1日クランクベイトやスピナーベイトを投げ続けることもしばしば。
2009年9月号掲載のクランクベイトで惜敗した自称クランカーのS曰く、「やり返したるけんの〜」。相手の得意分野で釣り勝つことがSにとっては最優先事項らしい。
この取材を行なった2009年7月22日は日本で皆既日食が見られると話題になっていた日。Sは天を味方につけることができるのか?
横利根川のアズマバスボートクラブから出船し、北利根川に出て下流へ向かう
S ムフ〜、ムフ〜。赤羽先生、ムハァ〜。
赤羽 何? 何なのその鼻息の荒さは(笑)。
Y さぁ? 霞ヶ浦の湖上から見る皆既日食が楽しみなんじゃないでしょうか。
S ……そうですね。順当にいけば今回は先輩の白星なんでしょうけど、そうはさせません。先輩の白星を皆既日食のように黒く塗り潰してみせますよ。
Y つまりササキが俺に勝てるのはン十年に1回ってことか。
S そんなことを言ってられるのも今のうちです。赤羽先生のテキサスリグは去年の夏(2008年10月号掲載)にも取材してますから予習はバッチリ。勝たせてもらいますよ。
赤羽 そういやササキ君はテキサスリグが苦手だって言ってたよね。去年の取材から1年間でこのリグでどれくらい釣ったの?
S ……(指折り数えて)4尾です!
赤羽 ……え〜と、ササキ君は普段、霞ヶ浦や印旛沼で釣りをしてるんだよね?
S そうですけど、それがどうかしましたか?
赤羽 いや、だったらテキサスリグでもっと釣っててもいいはずだと思ってさ。
Y ササキは基本的にシンカーが付いてるリグを投げませんから。
赤羽 そうなんだ。
S 練習しようとして投げることはあっても、釣りたいと思ってテキサスリグを使ったことはありません。
赤羽 ササキ君はこのリグのどこに苦手意識があるの?
S まずはスッッットーンッ!! とフォールするところです。あんなに速く落ちたらバスが着いていけないんじゃないかと……。
赤羽 それはシンカーのウエイト次第でどうにでもなるよね。それに、むしろフォールスピードはバスを反応させる1番の要素なんだ。シンカーのウエイトを上げる(フォールスピードを上げる)ことが好結果に繋がることもあるくらいだよ。
S そうなんですか、ほかにもですねぇ……。
Sの疑問
①どう動かせばいいのか。
②”張らず緩めずのラインテンション”とは?
③アタリはどう出るのか
①どう動かせばいいのか。
②”張らず緩めずのラインテンション”とは?
③アタリはどう出るのか
Yの疑問
①ラインが横っ走りしたらどうアワせればいいのか。
②右利きの赤羽先生が、なぜ右巻きのリールにこだわるのか。
①ラインが横っ走りしたらどうアワせればいいのか。
②右利きの赤羽先生が、なぜ右巻きのリールにこだわるのか。
Y というのが僕らの疑問です。今日の実践篇では……。
S 先輩に勝ちます!
Y やれやれ。僕はテキサスリグの疑問を解決したいと思います。
利き手巻きのリールでノーミスを目指せ!
雨が降りだした湖上で実践篇スタート。
「ロッドを立てて2時〜12時の間でリグを操作して……(S)」、「そうそう、バイトがあったら3時の位置までロッドを寝かせながらラインスラックを回収したあと、ロッドを立てて強くアワせるんだ(赤羽先生)」
S 赤羽先生、バンバン釣ってください。釣って釣って釣りまくって、テキサスリグは釣れるんだと僕に信じさせてください!
赤羽 じゃあ、釣るよ?バン!(常陸利根川)バン! バン!(外浪逆浦)バン!(夜越川)。
一気に常陸利根川の最下流まで走ってまずは赤羽先生が1尾。3inチガークローの5gテキサスリグを杭にタイトに落とすとラインがスーッと走った
外浪逆浦で2尾目をキャッチ。赤羽先生は消波ブロック帯の上をズル引いて釣ったのだが、これは難易度がやや高い。ラインテンションを弛めすぎるとリグが隙間に落ちて根掛かってしまうからだ
Y さ、さすが赤羽先生……。フロントデッキで本気で釣られると、リアデッキの僕らにはアタリのアの字もありません。
赤羽 3人並んで釣りをすれば、前の人ほどチャンスがあるのはたしかだけど、撃ち漏らすスポットは必ずある。後ろの人は前の人の釣りを観察して、そういうスポットを見逃さずに撃つこと。それと、通過した場所を振り返って見ることだね。
Y なるほど。角度的に前の人からは見えない、もしくは見えても撃ちにくい場所を探すわけですね。
S じゃあ、ひとりで釣りをする場合は、前に投げたり後ろに投げたり忙しいですね。
赤羽 いや、ひとりのときは同じストレッチを往復したほうが楽だし、丁寧に釣ることができる。とくに生え際に凹凸があるアシのストレッチを撃つときは、往復することで確実に釣果を伸ばせるよ。
消波ブロック帯で連発する赤羽先生。お気に入りのスティーズ・ハスラーでガンガンアワせて楽しそう……
Y なるほど〜、お? ビビッとアタってますよ。ブルーギルかな?
赤羽 ラインが走ってるね。ロッドを倒しながらテンションを張らずにスラックを回収して……。
Y うりゃっ!
Yがフッキングすると25ほどのバスが宙を舞い、ボートの手前にボチャンと着水。当然、ラインテンションはダルダルに弛んでしまい、バレたと思われたのだが…
Y まだ掛かってましたぁッ!
北利根川のアシからYがドライブクロー3inの2.7gテキサスリグでキャッチ。ようやっとの生徒1尾目である
赤羽 いいところに厚く掛かってる。これならちょっとやそっとじゃバレないよ。ストレートフックのメリットが活きたね。ん? どうしたの?
Y イタタ……。思ったよりも水中にラインスラックが残ってて、アワセが空振り気味になったんです。変なポジションでロッドにバスの重みが乗って手首がグキリ、と。
赤羽 ラインが走ったときはバスが泳いでるのと反対方向へのストロークでアワせるのが基本だよ。ただ、水面上のラインの動きと、アワせた瞬間のバスの位置が必ずしも一致しないから、今のようなことが起きるんだ。
Y バスの重みを感じるまでラインを巻き取ってからアワせればいいんでしょうか。
赤羽 ラインを張りすぎるとバスが違和感を覚えてルアーを離しちゃうから、スラックの回収は張らず弛めずの状態にとどめておく。
Y じゃあ、たまには赤羽先生も手首がグキッということがあるんですか?
赤羽 ないよ。右利きの俺が右巻きのリールを使ってる理由のひとつが力強くアワせるためだからね。
Y え? 利き手でパーミングしたほうが力が入るんじゃ……。
赤羽 ないんだな、それが。利き腕1本でアワせるよりも、パーミングした左手を支点にして、ハンドルを握った右手の引き付けでフッキングしたほうが、力が入るし、方向もブレない。
Y けれど、先生もリグを操作するときは右手でパーミングしてますよね。バイトがあって、右から左にタックルを持ち替える間にバスがルアーを放してしまいませんか?
赤羽 何言ってんの。ヤマガタ君だって、さっきバイトがあったとき「ビビッとアタってますよ」とか言いながら間を置いてアワせてたよね?
Y そういえば……。
赤羽 タイミングはそれでいいんだよ。慌てるとすっぽ抜けるし、アタった瞬間にアワせなきゃいけない状況は稀だから。むしろ持ち替えることで間を置いたほうがフックアップ率が上がる。
S アワせたあと、バスをカバーから引き離すためのリーリングも、利き手のほうが速く、力強くできますしね。
赤羽 そう。だからふたりとも利き手巻きのリールを使いこなせるように要練習だね。
操作からフッキングまで利き手を使い切ろう!
①
右利きの赤羽先生は右巻きのリールを使用。リグの操作は右手で行ない、左手でハンドルを弾くように回してスラックを処理する
②
バイトを感じたらタックルを右から左へ持ち替える
③
ロッドを倒しながらラインスラックを巻きとっていく
④
軽く前傾姿勢をとり、ロッドをほぼ水平に倒すところまでラインを巻く
⑤
両手で速く強くタックルを引き付け、身体を起こしてアワせる。カバーフィッシングではバスを掛けたあとのリーリングも重要。つまり利き手巻きのリールが有利だ
※ライフジャケットを着用していないのは、後日、陸上で撮影したためです。