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アユ釣り/山本高義さんに学ぶ上飛ばしコントロールの極意

おすすめ時期:6~11月(解禁期間要確認)

編集部◎文・写真
024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (5) チャラ瀬を静かに上飛ばし。次々に野アユを掛けていく

頻繁に立ち位置を変えてサオとイトの角度も微調整。
ポイントを選ばず探れる複合メタルで、繊細にオトリを泳がす山本高義さん。
理想の泳がせポジションは、正面から上流45 度までの間。
上飛ばし操作の極意を解禁間もない藁科川で見た。


この記事は『つり人』2016年8月号に掲載したものを再編集しています。

瀬肩の群れアユ攻略


 藁科川の解禁3日目、清沢橋上流部の段々瀬の肩に山本高義さんの姿があった。183㎝の長身を折り曲げ、仕掛けにオトリを装着する。放したオトリは石を縫って沖に出る。簡単なようで難しい立ち位置の決め方。とりわけサオではなく足もとから泳がせて沖の筋に導くのは、石組と流れを見極めないと上手く送り出せないもの。山本さんはポイントを一目見ればオトリの通る筋道をイメージできる。

024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (6) 山本高義さんは1966 年生まれ。静岡県浜松市在住。ダイワ鮎マスターズでは’11 年3 位、’12 年準優勝のほか実力者が揃う郡上杯争奪長良川アユ釣り大会では’13 ~’14 年に連覇を果たすなど、躍進を見せる泳がせ釣技のGuide エキスパート。この日は20尾強の釣果だった

024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (1)_2 解禁から好釣果に沸いた藁科川清沢橋上流部

「私は正面から上流45度くらいの位置でオトリを泳がせたい。ねらいのポイントがその位置にくる場所が立ち位置を決める前提です」

 底に馴染んだ目印が上流に滑り出すと「群れがいるんでしょうね。野アユがイトにバチバチと当たってきます」と言う。間もなく野アユがオトリに絡み付く。幸先のよいスタートである。

 オトリを換えて送り出すとややあって急速に泳ぐ。

「群れに入りました。テンションを抜いて、まずは群れに馴染ませます。掛からなければシャクってみたり、止めたりする。広範囲をぐるぐると回り続ける群れは掛かりにくいので別のポイントを探ります」

 そんな山本さんの水中イトは複合メタル。比重は重いほうが使いやすいと愛用するのはダイワ「メタコンポヘビー」の0・05号。下付けイトを介さないワンピース中ハリス0・4号。ハナカン上のハリス部分は20㎝程度。線径の細い複合メタルを使うため、このハナカン上のイトで抵抗をつくるのだ。数多のトーナメントに参戦する山本さんは、1本のイトでどんな場所でも釣れるように訓練してきた。高比重の複合メタルはトロも瀬も攻略しやすい。この汎用性の高さがメリット。

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024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (7) この日使った山本さんの愛竿はダイワ「銀影エアF90」。オバセを管理しやすいシャキッとした先調子。山本さんはまめにサオを動かす。胴振れするサオでは目印が躍ってしまう

024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (9)ダイワ「快適ハナカンRS」に逆バリは「プロラボサカサMK タイプⅠ」

024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (8)ハリは「エアースピード」6.5号4 本イカリと「エアーマルチ」6 号4 本イカリ

024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (10)水中イトはダイワ「メタコンポヘビー」の0.05 号。強度に優れてオバセも利く複合メタルは非常に汎用性に優れる

 群れに馴染んだオトリはぐるぐると走るばかりで一向に掛からない。となれば群れからオトリを離し下流の瀬に導く。2尾目は瀬の落ち口で掛かる。さらに瀬を下ったがアタリは遠い。オトリを回収し瀬尻のヒラキを目指した。

立ち位置を変えて上に飛ばす


「目印の位置は水深の1・5倍が目安です。オトリが底流れに馴染み、オバセをくれた時に一番下の目印が水中に入るかどうか。そんな高さに調整しています」と話す。

 またオトリは必ず底付近まで沈め上流に顔を向けてから放す。水面でオトリを放すと表層の流れに押され、ねらいのコースを泳ぎにくくなるのだ。もうひとつはオトリを放した後に、1歩2歩と下って立ち位置をオトリより下流に取る。

「イトを張って緩めてオトリの泳ぎを調教するよりは、立ち位置を下流に置いたほうが手っ取り早いですね。イトが上飛ばしの角度になれば尾ビレを振って泳ぎやすくなります」

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024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (2)_1 目印の位置はイトの入水角度を決める大事な要素。山本さんは水深を見て頻繁に位置を調整する

 山本さんの釣りはいわゆる「拝み釣り」と異なる。頻繁に立ち位置を変え、サオが前後左右とよく動く。オトリに掛かるイトの抵抗を計算しながら、サオとイトの角度を調整している。たとえば沖にオトリを出すため手前にオバセを作る時は一歩後方に下がる。イトの入水角度を変え、時にはオトリを吊り上げて尾ビレを振らせる癖をつける。

 複合メタルはナイロンやフロロに比べオバセを出しにくいイトだ。イトの抵抗を作るには、釣り人が動いてサオとイトの角度を調整するのだ。

「上飛ばしのいい角度がつくれた時に、オトリが上っていくならばその角度をキープしたまま上流に歩いていきます。そうしてオトリを泳がせながら広範囲を探って野アユを拾い、郡上の大会では優勝したこともあります」

 瀬のヒラキでは足を使って上飛ばしを演出したが、反応する野アユはポツポツ。砂地の多いエリアの淵に来るとヘチを泳がせ良型を掛け取る。

チャラとタナで多彩な泳がせ


 午後からはチャラ瀬に移動。ここで山本さんは、川面に影を移さぬよう正座。ザブザブと誰もが立ち込んでしまうような、くるぶしくらいの水深でオトリを操る。

「泳がせている時の目印は振れないほうがいいですね。一定の高さを安定して滑るような感じ。イトを背負わせオトリを泳がすのでエビになりやすいですが、エビは泳がせ釣りの必要経費と思っています(笑)」

 チャラの中でも小型がポンポン掛かる。

「川によっては砂利や砂地も泳がせます。藁科川は砂利の多い川です。砂利にもアカが付いてうっすらと色づく所があり、渇水期は石周りよりそんな場所で掛かることが多いんです」

 小型ばかりのチャラから瀬のタナに移ると石色が明るい。15時を過ぎると追いが立つ。山本さんはサオを少し寝かせて引き釣り泳がせ、止め泳がせ、オトリが変わればサオを立て広範囲を泳がせて4尾、5尾と入れ掛かり。

「一日だらだらと釣れるより最後の数時間で連発したほうが、ドラマチックで気持ちのよいものです」 と満足そうに笑みを浮かべた。

024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (3) 山本さんの釣友でこの日も好釣果を出していた掛川市在住の兵頭雅人さん

024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (4) 山本さんとも顔馴染みの川本雄貴さんは2013年度のダイワグレマスターズチャンプ。夏はアユ釣りに燃え、藁科川はホームグラウンドのひとつ

静岡県/藁科川 024-027yamamoto-takayoshi_cs6 (1)_1 ●管轄漁協:安倍藁科川漁協(℡ 0542・72・3111)
●オトリ店:さおしん(℡ 054・270・1056)
●交通:新東名高速道路・静岡SA スマートIC で降り、県道207 号で藁科川へ




  
 

 

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