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編集部2023年11月20日

世界一のクランクベイトができるまで。ラッキークラフトU.S.A. Behind Story 第19回 ケビン・バンダムから学んだこと

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ケビン・バンダムから学んだ「獲りにいく姿勢」は私のルアー開発にも大きく影響することになります。

「Don’t Wait,You Get it」

瀬川 稔(ラッキークラフトUSA社長)=語り  

この記事は『Basser』2023年8月号に掲載したものを再編集しています。Basserのバックナンバーは定期購読をお申し込みいただくとデジタル版バックナンバーが4年分以上読み放題! 詳しくはこちらをどうぞ

 目指すは「世界一のクランクベイト」。この連載では、ラッキークラフトUSAのルアーデザイナーと、大森貴洋、リック・クラン、スキート・リースら歴代プロスタッフが勝てるルアーを作るために繰り広げた知られざる切磋琢磨の歴史を紹介する。

以下、瀬川さん談。

◆前回:ルアーではなく「勝ち方」の開発。

人生がハンティング

 ルアーではなく「勝ち方」を開発する。

 そう決意するまでの話を前回お届けしました。

 そのために私がまず取り組んだのは勝つために釣りをするファイターアングラーのメンタリティーを研究することです。彼らの気質を両手で受け止めたい! そう思った私がリック・クランについて勉強したことはすでにお伝えしました。

 このころ、アメリカで最強のプロといえばリック・クランだけでなく、絶対に外せない選手がひとりいました。それはケビン・バンダム。

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 ケビン・バンダムは2023年シーズンで競技生活を終えることを宣言しています。バスマスタークラシック優勝4回、B.A.S.S.トップカテゴリーでのAOY7回、プロツアーでの優勝は50回を超える全米最強のトーナメントアングラーです。

 私がケビン・バンダムにはじめて出会ったのは2001年。直後にはルイジアナデルタで行なわれたバスマスタークラシックを優勝します。神々しすぎて軽々しく話しかけられなかったリック・クランに対して、私にとってケビン・バンダムは笑顔で話しかけやすい存在でした。

 2005年にリック・クランとのクランク開発がスタートし、私はケビン・バンダムの言動や行動を思い出したり、調べ直したりしました。

 リック・クランは試合会場であまり人と話をしないタイプの選手でしたが、ケビン・バンダムとはよく言葉をかけあっていました。リック・クランが唯一口撃するのがケビン・バンダムだったんです。「オレは10年でクラシックを3回勝ったぞ、お前より上だ」などと笑顔で言い合っていましたね。

 リック・クランとケビン・バンダムは21歳差ですが、実力者同士で、お互いを深くリスペクトし合っていました。仲が良いとかそういう次元を超えた関係性だったと私は感じています。

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ケビンバンダムはキャリア40年間のすべてがキャリアハイといえる選手だった。この写真はリック・クランを師と仰ぐスキート・リースと激しい火花を散らしていたころのもの

 ケビン・バンダムの姿勢を象徴する出来事があります。ケビン・バンダムがクラシックを勝った直後に、ラッキーのプロスタッフだったマイク・オートンとケビン・バンダムと私が3人で話していたときのことです。

 マイク・オートンが「クラシック優勝はすごいな! オレの番はいつかなぁ……」と言ったのですが、ケビン・バンダムはすぐにこう返しました。

「Don’t Wait,You Get it」

 待つな、獲りに行け。

 その言葉を聞いて私は流石だなぁ……と感動しました。思えば、ケビン・バンダムはデビューイヤーからこういう姿勢だったんです。1990年代初頭にTOP150シリーズに昇格したとき、ケビン・バンダムはスポンサーのひとつだったトラッカー/ナイトロに直談判をしに行きました。「AOYを獲ったらスポンサーフィーを10万ドルにしてくれ」。まだ20歳台のルーキーですよ? なんという自信家なんでしょう……。ちなみにケビン・バンダムは実際にAOYを獲得しました。

 これがファイターアングラーなんです。トロフィーも契約も受け身ではなく、すべて獲りにいく。人生そのものがハンティングなんです。

 これは余談ですが、ケビン・バンダムは学生時代釣りだけでなく野球もしていて、メジャーリーグにいけるレベルの選手だったそうです。あるとき野球の大事な試合を欠席して釣りの試合に出て監督から大激怒されたそうですが、30年後にその監督がケビン・バンダムに「君が正しかった」と謝罪したそうです(笑)。

 ケビン・バンダムから学んだ「獲りにいく姿勢」は私のルアー開発にも大きく影響することになります。

あまりに重いサンプル

 さて、前回の締めくくりにリック・クランからあるクランクベイトがサンプルとして送られてきた話をしたと思います。それは当時の人気ルアーでもあったサンダーシャッド(オウサムベイツ)でした。

 当然私はこのルアーについて勉強することになるわけですが、まず投げてみて思ったことがあります。重いんですよ。巻き抵抗の話ではありません。サイズのわりに重量があるんです。

 ここから私のクランクの旅はふたたびスタートします。B

 

 

 

◆第1回:すべては衝撃のひと言から始まった。「このルアー、泳いでないね」

◆第2回:勝つためのFAT CB B.D.S.2、アングラーに寄り添うB.D.S.3

◆第3回:プロに使われるルアーの絶対条件

◆第4回:「新しい振動」を探す旅のはじまり

◆第5回:ディープクランクを巡る熾烈 大森貴洋「やっぱりオレはディープはやらない」までの道のり

◆第6回:駆け出しのバスプロに寄り添うスモールクランク乱造時代

◆第7回:1尾への最短距離。“Heart of Young Angler”としてのフラットサイド

◆第8回:スキート・リースのAOYを決めた1尾

◆第9回:ポインター政権の始まりと終わり

◆第10回:ビッグジャークベイトの可能性

◆第11回:邪念と誠意のはざま/ライブポインター

◆第12回:勝てるジャークベイトの方程式

◆第13回:スレンダーポインターには誰にも言っていない秘密がある

◆第14回:ゲーリー・クラインが口にした衝撃の言葉

◆第15回:バスプロショップスが放った衝撃の矢

◆第16回:ライト&タフ7ftグラスコンポジットから学んだこと

◆第17回:ラッキークラフトUSAの秘密兵器

◆第18回:ルアーではなく「勝ち方」の開発。

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