ミノーの使い方はアングラーそれぞれに正解がある。しかし、ポテンシャルを100%引き出すには、その根底にあるコンセプトを知っておいたほうがいいはずなのだ。そこで、今期注目の渓流ミノーについて、各メーカーの開発者にそのコンセプトとおすすめの使い方をインタビュー。
エデンシリーズの開発コンセプトに迫る
開発者=石塚恒、まとめ◎編集部(鱒の森)
『鱒の森 2022年4月号』の特集は「この渓流ミノーが凄い」。今号の特集記事の中からイチオシ記事を特別公開!
通うフィールド、タックルバランス、そしてもちろん好きな釣り方によって、ミノーの使い方はアングラーそれぞれに正解がある。しかし、ポテンシャルを100%引き出すには、その根底にあるコンセプトを知っておいたほうがいいはずなのだ。そこで、今期注目の渓流ミノーについて、各メーカーの開発者にそのコンセプトとおすすめの使い方をインタビュー。新シーズンに向けたスタメン構成の参考にぜひどうぞ。
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目次
シリーズ:注目渓流ミノーの使用法を開発者に訊く!
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サイズアップで難所難敵を攻略する60Sと60H
―― 今期からひと回り大きな60mmもシリーズに加わりました。どんな場面で活躍するのでしょうか。
「小渓流でミノーをサイズダウンしたくなるのとは反対に、水量の多い水系や本流がらみの渓流で釣りをしていると、50mmのアピール力では物足りなくなります。ポイントのスケールとミノーのスケールを合わせたい場面がおもな出番です」
EDEN EDN-60S / EDN-60H
Major Craft
上)エデン60S。全長60mmで重量5.7gのハイアピールミノー。分厚い流れの中で強くミノーの存在を示したい時や、ベイトが大きい状況で頼りになる。下)エデン60H。攻略不可能と思われた急流、あるいは押しの強い深瀬の直下をダイレクトに探れる7gのヘビーシンキング。飛距離も抜群だ。
―― 60S、60H の2 機種がラインナップされていますが、まずはシンキングタイプである60Sのおすすめの使い方を教えてください。
「50mmではアピール不足を感じる時に活躍するモデルで、小型の渓魚を避けて良型をねらいたい時にぴったりです。また、瀬の中をドリフトさせる場合でも、流れに負けないハイアピールの大きなヒラ打ちで魚を誘い出せます。もちろん、本流でアユなどの比較的大きなベイトを捕食している魚をねらう状況でも、特にルアーのサイズアップは有効です。
それと、比較的ミノーに反応しやすい大型イワナや、スケールの大きいポイントに居座った大型ヤマメをねらう際に、プレッシャーを掛けずに遠距離から攻略するのにも最適だと思います。水量のある大規模渓流~本流で使いやすいサイズ感なので用途はわりと幅広いですよ」
―― ヘビーシンキングの60Hについても使い方を教えてください。
「60Hはリア重心になっていて、ディープを直撃できるミノーです。水量のある渓流や、本流の分厚い流れの下に送り込んで『ビランビラン』とヒラを打たせたり、あるいは北海道の湿原河川などの岸際の深み、短かい流れに付いた大型の鱒をねらって、沈めて直撃したい時にも重宝します。
いるのは分かっているものの、なかなか手が届かなかったポイントを直撃できる優れた沈下性能が最大の武器です。ダウンクロスでも流れに負けず、しっかり流れをつかんで派手に動くので、60Hなら今まで攻略をあきらめていたディープレンジの大型魚と勝負できると思います」
左が60Hのワイドリップで、右が60Sのコンパクトリップ。
渓流アングラーがほしいものをつくればこのモデル数になる
―― これでエデンは50mmを軸に大小・軽重のラインナップがだいぶ充実しました。あらためて、渓流魚を釣るのにこれほどのモデル数が必要となる理由をお聞かせください。
「基本的には50mmだけあればいいと思っているのですが、いざ現場に立つと『もっと軽いもの』、『もっと大きいもの』、『ひと口サイズのもの』といった感じでほしいミノーが出てくるので、その『ほしい』をかたちにしてきた結果、おのずと現在のラインナップになった感じです。実際に釣り場で必要なモデルをつくれば、このモデル数になると思います」
―― これからよりラインナップが充実する可能性は?
「今のところはありませんが、釣り人や現場から『こういうミノーがほしい』という要望があればつくっていきたいですね。鱒釣りがもっと楽しくなるような道具をご提案できるように、いろいろ考えながら釣りをしていきたいと思います」
石塚さんが基本のサイズと語るエデン50mm。4.5g シンキングの50Sと、5.5g ヘビーシンキングの50Hがある。
バスデイ「もののふ50S / 45S」編に続く……。
こちらの記事は好評発売中の『鱒の森 2022年4月号(No.66)』に掲載したものをオンライン版として特別公開しています!↓↓↓↓